白内障の病気を理解する前に、まずは犬の目のしくみを知っておこう。
犬の目も人間の目と、しくみは基本的に同じである。
ほぼ球状をしている眼球は、その周りを角膜や強膜に包まれている。角膜は眼球の前面にある透明な膜であり、強膜は眼球の裏側を覆っている硬い膜のことである。
角膜の次にあるのが虹彩と水晶体、水晶体を囲むようにしてある筋肉が毛様体。
そし水晶体の次に硝子体、網膜がある。
ものを見るしくみとしては、レンズの役割をしている水晶体を通過して、網膜に画像を投影し、それが視神経を通して脳につたわり、画像を認識するようになっている。
明るさの調整は瞳孔が広がったり(散瞳)、縮まる(縮瞳)ことで調整される。
水晶体の中には水晶体液が入っており、新陳代謝によって水晶体液が入れ替わるようになっている。
白内障になると、何らかの原因によって水晶体液の新陳代謝が上手く働かなくなってしまう。
そのため、水晶体の中にたんばく質の結合体が出来て、本来は透明なはずの水晶体に濁りが起こってきてしまうのではないかといわれている。
老犬だけの病気ではない、白内障。
人間なら異変を感じたら、自分で病院に行くことはできるが、犬は異変を感じても訴えることはできない。
身近にいる飼い主が気付いてあげることが大切だ。どうしたら早めに気付くことが出来るのか、もし白内障になってしまった場合にはどのような治療をしていくのかなど、白内障について詳しく紹介していこう。