ペットの基礎知識 特別篇
【白内障 2】
「白内障」について、質問を受ける機会が増えています。
そこで、今まで質問に答えてきた内容をまとめてみました。
『白内障の治療法は?』
白内障の治療には、内科的治療と外科的治療があります。
内科的治療:点眼薬、内服薬
白内障が初期で症状が軽度であれば、点眼液や内服薬によって進行を遅らせる治療を行います。
この場合、「白内障を改善していくのではなく、進行を遅らせる治療である」ということをしっかりと理解して行う必要があります。
点眼や内服薬で白内障は改善しません。
点眼治療で白内障が改善するならば、犬でも人でも手術は必要ないはずです。
外科的治療:水晶体摘出
白内障が進行し日常生活が困難となっている場合、唯一の治療法は、水晶体を摘出する手術です。
『手術の成功率は年齢によってどのくらい違うの?』
人の白内障の手術は、今では全身麻酔も必要ない日帰りで行うこともできる手術ですが、犬ではそういうわけにはいきません。
犬の水晶体(レンズ)は人の水晶体よりとても大きく、炎症反応も強くおこるため、犬の白内障手術は人の白内障手術よりも難度が高い手術です。
白内障手術の成功率は、年齢よりも目のコンディションに左右されます。
白内障手術の成功率は年々高くなっていますが、合併症のリスクを伴うため十分な検査と検討が必要です。
白内障でも、下の条件を満たさない場合は、手術はできません。
・緑内障など、他の眼疾患がないこと
・視力がまだ残っていること
・麻酔をかけられる全身状態であること
・手術前、手術後の点眼、投薬ができること
『おまけ ・上手な点眼の仕方』
白内障だけでなく、結膜炎や、角膜炎などでも点眼薬が処方されます。
目薬をもらってきたはいいけれど、 「うまくさせない!」 お困りの方多いんじゃないでしょうか?
そこで、犬や猫にうまく点眼するコツです。
STEP1 目薬の準備
飼い主が目薬を手にとると、逃げたり隠れたりする子も多いはず。
目薬は犬や猫の目の届かない所でキャップを外し、手に握って隠しておきます。
STEP2 目薬をさす
犬や猫を座らせるか伏せをさせます。
背後から頭上へ、さっと目薬を持った手を近づけ 反対の手で、軽く上まぶただけを上に引いて目を開き、 それと同時にポタっと点眼します。
☆ワンポイント・アドバイス☆
・目薬が視界に入らないように頭の後ろからもっていきましょう。
・点眼は1滴で十分です。
入ったかどうか自信がないときはもう1滴入れましょう。
・一度でささっと済ませてしまうのがコツです。
時間がかかってしまうと、うまくいかないことが多いです。
STEP3 とにかくほめる
できたら必ずおおげさにほめましょう。
飼い主さんが喜んでいると、犬や猫も楽しいと学習します。
ご褒美にいつものフードやおやつをあげてもいいと思います。
◎嫌がって暴れる犬の押さえ方
片方の腕で抱き寄せ、回した手の親指・人差し指・中指で両前脚をしっかり挟み、押さえます。
◎嫌がって暴れる猫の押さえ方
猫は犬と違い からだが柔らかいので、四肢を押さえても咬まれたりします。
ネット(大きめの洗濯ネットがお勧め)に入れたり、バスタオルで包んであげましょう。
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