高齢犬の元気と健康のために
「高齢犬と楽しく過ごす方法 9」


10.床材
犬にとっても人にとっても、部屋の床は負担の少ない快適な材質でできていることが重要です。
犬や人の足腰のためには柔らかい床材が良いのですが、一方で、傷つきにくく、汚れにくく、掃除がしやすくて、濡れてもしみ込みにくくて、臭いがつきにくい、そういう条件も大切です。
そういった意味で、私たちの住まいにはフローリングが増えています。

畳やじゅうたん、カーペットの部屋なら負担は少ないですが、多くの場合、犬と人が主に過ごす部屋はフローリングなのではないでしょうか。
フローリングのように滑りやすい床は、姿勢を保つ上で、足腰に必要以上の負担をかけてしまいます。
スケートリンクで姿勢を保つのが大変なことからも、容易に想像がつくと思います。
若いうちは筋力が十分にあるので問題なく過ごせますが、高齢になって筋力が衰えてくると、滑らないようにこらえるのは辛くなってきます。
高齢犬が滑らずに安全に生活できるように、配慮してあげましょう。

フローリングの滑りやすさに対処する方法としては

1.フローリングに滑り止めの処理をする

・滑り止めワックス
 自分で出来ますが、定期的に行う必要があります

・シリコンコーティング
 業者に依頼する必要があります
 10年くらいは持つようです

2.滑らない素材のものを敷く

・タイルカーペットやコルクカーペット
 敷く広さを自分で決められます
 取り外してクリーニングできます
 面倒ですが、自分で敷くこともできます

・クッションフロア
 適度に弾力があります
 水に強いので掃除がしやすいです
 業者に依頼する必要があります

・絨毯やカーペット
 設置や移動が簡単です
 大きくなければ洗うことができます
 小さいと滑り止めにならないこともあります
 カーペットの毛足が長いと爪が引っかかることもあります


11.温度対策

歳と共に、暑さや寒さなどに対応するのが辛くなってきます。
また、高い湿度や強い乾燥にも対応しにくくなってきます。
高齢犬にストレスを与えないために、主に過ごしている部屋の温度と湿度を快適にコントロールしてあげましょう。
季節や気候に応じた快適な環境作りのためには、飼い主が愛犬の状況を把握していることが重要です。
飼い主が、自分の感覚でエアコンディションしていると、犬にとっては辛いこともあります。


★暑さ

人は肌を露出しているし汗もかけるので、扇風機や除湿だけでも体温を下げることができます。
犬の場合は、毛皮を着ているし汗もかけないので、涼しい風に当たっても、湿度を下げても、体温はなかなか下がりません。
犬が、体温を下げるため、涼しく感じるためには、冷たい場所が必要です。
冷たい場所に体を横たえて熱を奪ってもらうことで、体温が下がります。
室温を上げないためのクーラーは不可欠ですが、冷たい場所を用意して、本人(本犬)が自由に利用できるようにしてあげることも重要です。
冷たい場所としては、タイルやコンクリートのある所が有力候補ですが、どこを選ぶかは犬自身に決めてもらいましょう。
家の中に冷たい場所がない時には、市販のクールマットなどを利用しましょう。

さほど高い温度でなくても犬は熱中症になります。
夏の温度管理の失敗は、命を失うことになりかねません。
気を抜かないで、しっかり行ってください。


★寒さ

暑さ同様、犬は室温が高いだけでは簡単に暖まれません。
直接体を温めてくれるペットヒートなどを用意してあげましょう 。

冬のすごし方 → こちらのコラムを参照してください。


12.排泄

高齢になると、うんち・おしっこを失敗することがあります。
理由はいろいろ考えられますが、だいたい3つに分けられます。

1.足腰が弱って、外出しての排泄やトイレまで歩くのが辛くて漏らしてしまう。
2.いつもの場所で排泄するつもりはあるけれど、そこまで我慢ができない。
3.排泄を自覚できずに、本人も気づかないうちに出てしまっている。

「無理にトイレに行かせなくたって良いじゃないか、オムツをすれば対応できるよ」

という意見もあるかもしれませんが、それは最後の方法としてとっておいてください。
何とか工夫をすれば自力で排泄できるうちは、自力で排泄させてあげてください。
排泄の失敗が続くと、犬のプライドは傷つきますが、いつものようにちゃんと排泄できると、プライドは保たれます。

散歩で排泄させている場合、早めにウォーミングアップを始めて、足腰をほぐしてあげると、つらさが緩和されます。
室内で排泄をさせている場合、トイレのタイミングは自分で決めているので、トイレまでの行きやすさや距離がポイントになります。
行きたくなったらすぐ行けるように、トイレを同じフロアに用意したり、トイレまでの距離が遠くならないように配慮してあげましょう。
しかし、いきなりトイレをすぐそばに持ってくるのは止めましょう。
たかがトイレまでの距離ですが、ちょっとでも体を動かすことが寝たきりにさせないことに繋がるからです。


13.危険物

視力や嗅覚が衰えてくると、落ちているものを食べ物と間違えて口に入れてしまうことがあります。
口の感覚や味覚がまだしっかり機能していれば、食べ物ではないことに気がついて飲み込むことはないかもしれませんが、安心はできません
犬が間違って口に入れてしまったり、飲み込んでしまう恐れがあるものは、犬の口が届かないところに置くようにしましょう。

特に気をつけたいのが、人体薬や洗剤、殺虫剤などの医薬品や化学物質です。
それらの中には、重大な中毒症状を起こすものもあり、命にかかわることもあります。
また、小型犬になるほど、小さいものでも消化管に詰まってしまう恐れがあるので、床に落としたものは犬が口にする前に、すぐ拾うようにしましょう。



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