冬の最大の特徴は、言うまでもなく寒さです。 冬対策=寒さ対策 といえます。 犬と一緒に冬を快適にすごすために、上手に寒さ対策をしていきましょう。
●犬は寒さに強いって、本当?
「犬は寒さに強く、猫は寒さに弱い」 童謡(雪)にもそんな歌詞があるので、なんとなくそのような印象を持っている人も多いと思います。 犬の先祖のタイリクオオカミは、北半球の比較的寒い地域を生息域としていました。 もともとの犬族は、寒さに適応した種族なのです。 実際に、犬は人と比べれば寒さに強いと言えます。 ですから、過度の寒さ対策は、むしろ健康を害する可能性もあるので注意が必要です。
しかし、寒さに対する適応力は、犬種による違いがあります。 ・体格の大きい犬種は寒さに強く、小柄な犬種は寒さが苦手、 ・ヨーロッパなど寒い地域が原産の犬種は寒さに強く、アジアや南米など暖かい地域が原産の犬種は寒さが苦手、という傾向があるようです。
犬の主な役目が番犬であった時代は屋外飼育が一般的でしたが、現代の犬の飼育環境はほとんどが室内飼育になってきています。 並行して、人の住環境にも大きな変化がありました。 風通しに優れた日本家屋より密閉性の高い欧米型の住居が増えるようになり、それに伴って空調設備も進歩してきました。 これによって、犬にとっても快適な環境が一年中保たれることになりましたが、それが寒さに対応する力も弱める原因となっているようです。 例えば、東京都心の冬の平均気温は10℃前後(5〜15℃)ですが、この気温は犬にとって快適な温度のはずです。 しかし、人が快適な温度に調節した室内で過ごしている犬にとっては、10℃という気温は寒く感じられることもあるでしょう。 また、外気温はそれほど低くなくても、室内の温度が暖かいと、その温度差によって実際より寒く感じてしまうことがあります。
●冬は犬より飼い主がつらい?
冬の寒さは、実は犬より人のほうがつらく感じているのではないでしょうか。 ○自分だけ暖かくしているは申し訳ないので、犬用の暖房を用意した。 ○寒さがつらくて、散歩をさぼってしまいがち。 ○自分は厚着をしているのに犬に何も着せないのは寒そうだから、犬にも服を着せるようにしている。 「こんなことぜんぜんやってないよ」、という飼い主はほとんどいないと思います。 次回は、暖房や散歩について。