「ネコの快適な冬のすごし方(1)」


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■ネコの快適な冬のすごし方

秋が終わり、冬の足音が聞こえはじめる時期、これから迎える寒さに身が引き 締まる気がします。  

童謡(雪)では「犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる」と歌われてい るように、猫は寒さが苦手といわれています。  

この時期、どのような点に注意をしたら良いのでしょうか?  
寒い冬を快適に過ごさせてあげましょう。

■あなたの猫は寒さに弱い? 強い?

猫にも個体差があります。
全ての猫が極端に寒がり、というわけではありません。

活動量の多い猫や筋肉質の猫は熱を作りやすいので、少しぐらいの寒さでは寒がらないでしょう。

年齢が若い猫は運動量も多く代謝も活発なので、多少の寒さなら対抗できます。

逆に、あまり動かない猫や痩せている猫、中高齢の猫は、寒さに敏感です。
年齢や体格、体質など、その猫に合った寒さ対策をしてあげることが大切です。

普段から外出している猫には、冬でも同じように外出する機会は与えるようにしましょう。

本人が寒いと思えば、自ら外出を控えたり、外で過ごす時間を短くします。
強制的に外出できないようにはしないでください。

■冬の食事とカロリー要求量

冬になると、家の光熱費は増えます。  

これは気温が低下するほど室温を上げるのに必要なエネルギーが増えるからですが、同じようなことが人や猫の体でも起こっています。  

人も猫も一定の体温を維持することで体の恒常性を保っていますが、外気温が低くなれば体温を維持するためのエネルギー消費も多くなります。

このエネルギー源は主に食事ですから、冬は特に重要さが増してきます。
寒い時期は、カロリーの要求量がは高くなるのがふつうです。  
寒さを感じる時期になると、食欲が増してくるのはこのためです。  

冬に十分な食事をさせてあげることは大切なのですが、猫の体格や年齢、飼育環境や運動量によって必要な量は異なりますから、その子に合った適切な量に調節しましょう。

例えば、同じ年齢と体重でも、屋外で過ごす時間が長い猫と暖房の効いた室内でほとんど過ごす猫では消費エネルギーに違いが出てきます。
完全室内飼育の猫に外出自由な猫と同じ量の食事を与えてしまうと、多くの場合は体重は増加してしまいます。

■猫が快適な温度

猫は寒さが苦手です。
猫の先祖は北アフリカのリビア砂漠出身といわれているので当然かもしれません。

特に短毛種の猫は寒さに弱い傾向があるようです。

猫が快適に過ごせる温度は何度くらいなのでしょう。
猫の適温についてはいろいろな説があり、それらを総合すると、幅は広くなってしまいますが室温 18〜26℃  湿度 30〜70% と、なるようです。

好きな温度にもそれぞれに好みがあり、低めが好きな猫もいれば、暖かければ暖かいほどいいという猫もいます。

わが家の猫がどのくらいの暖かさが好みか、観察してみましょう。
猫は寒いときに体温調節のために特徴的な動作をします。  

★体をブルブルと震わせる   
筋肉を振動させることで熱を発生させ、体温を維持するための反応です。  

★毛を逆立てて体をふくらませる   
立たせた毛の間に空気の層を作って、体温の喪失を防ぎます。   
ダウジャケットのような原理になります。  

★体を丸める   
外気に触れる体表面積を減らし、熱の放失を防ぎます。

猫がこのような仕草や行動を見せるようなら、寒く感じているのかもしれません。

■充分な日光浴   
陽がよくあたる場所を空けてあげて、充分に日光浴をさせてあげましょう。    
冬は陽の差す方向が変わりやすいので、午前用と午後用で用意できるとさらに良いですね。   
成長期の猫には特に紫外線を充分浴びられるように工夫しましょう。   

日光浴は骨格形成障害の予防に効果があるからです。   
換気を兼ねて直射日光を浴びるもよいですが、ガラス越しでも日々浴びてい れば充分です。  

■暖かい寝床   
寝床の場所として、窓際や外と接している壁の近くなどはできるだけ避けるようにしましょう。
そのような所は冷気が伝わって来やすいので、暖かいようでも冷えてしまいがちです。   

また、床も実はけっこう冷たいものです。   
寝床をちょっと高いところにおくと、それだけでも暖かくなります。   

もうひとつ気をつけたいのが、1日の中での温度差です。
温度差が10℃以上になると体調をこわしやすくなります。   

暖房を入れている日中と、暖房を消して人が寝た後の温度差が、10℃を越えることは少なくありません。   
人が寝た後の温度管理も充分に気を配ってあげましょう。
室内の寝床なら、毛布やフリースなどを増やしてあげるだけでもかなり暖かくなります。   

暖房器具を使わなくても、寝床にカバーをつけてあげたり、寝床を覆うだけでもかなり暖かさが違います。

■適度な湿度   
猫も人と同じように、空気が乾燥すると呼吸器の粘膜がダメージを受け、ウ イルスに感染しやすくなります。
人のインフルエンザウイルスは、湿度50%以上を保てば感染をかなり防げると言われています。

これは、

1.粘膜を乾燥させないことでウイルスの侵入を防げる   

2.湿度が高いとウイルスは水蒸気とくっついて空気中を漂っていられなくなり、床に落ちて時間と共に壊れてしまうから、が理由です。
『プラズマクラスター』も2と似たような効果があります。

また、加湿は省エネにもなります。
夏に湿度が高いと暑く感じ、ドライで湿度を下げると涼しくなりますね。

同じ理由から、冬は逆に湿度を上げることで体感温度を暖かくすることがで きます。

猫のためにも人のためにも、加湿器を使う、洗濯物を部屋干しする、などで室内の湿度を50〜60%に保つようにしましょう。


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