【 よく受ける質問 】
病気の症状や原因に対し治療していくのが「西洋医学」の考え方。 一方「中医学」は治療も行いますが、病気が発症する前の段階や治療後の養生も行います。病気の前も後もケアするのが中医学の特徴です。 中医学の目指すのは「予防医学」で、 病気の発症を予防し 病気の悪化を予防し 病気の再発を予防 することを目指します。 身体が本来持つ自然治癒力を最大限に引き出し、自らの力で病気を治していくという考え方に基づいています。
また、中医学で使うのは自然の素材を使った薬「生薬」。 自然界にあるものを使っているので、身体にかかる負担が少ないのも特徴です。
中医学の考え方の中に「未病」というものがあります。 血液などを検査しても異常はなく、病気とは診断されなくても、何となく調子が優れない、どこか万全ではない、そんな病気と健康の中間の状態が「未病」です。 この「未病」に対して、中医学では 1.病を治す:治療 2.崩れたバランスを整える:調節 3.バランスを維持し、健康的生活をサポート:養生 の、3つの方向からアプローチしていきます。 病気になりそうなところを治療し、 不快な感じのあるところを改善し、 自覚のない不調なところも健康な状態に戻していきます。
ペットも寿命が延び、それに伴って高齢期として過ごす時間(年数)も格段に長くなっています。 長く生きていればいろいろなところに不具合が現れるようになり、人と同じように、 心臓疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、運動器障害、などとうまくつき合っていかなくてはなりません。 中医学はそのような加齢に伴う疾患や慢性疾患で力を発揮します。 また、急性や重症の疾患の場合も、治療の主役は西洋医学ですが、中医学のバランス改善、体質強化をプラスすれば早い回復と再発の防止が期待できます。 西洋医学と中医学、両方のメリットを取り入れることが大切です。
中医学では、身体の不調や病気は、 「気・血・水」と「五臓(心・肝・脾・肺・腎)」 のバランスが崩れることから起こると考えます。 バランスを崩す原因として、片寄った食事、運動不足、ストレスなどの生活習慣の問題、気候や住環境変化、加齢、などが挙げられます。 まず、そのペットの中医学的体質とバランス状態を調べます。 その上で、その子に合った食事や中医学処方を検討して、バランスを整えていきます。
中医学の診察は、四診という4つの診断手順で行われます。 これは西洋医学でも行いますが、チェックするポイントが違ってきますし、よりペット全体を評価する視点で行われます。
待合室での様子、歩き方、落ち着き具合、飼い主さんとの関係、 毛の様子、皮膚の色、舌の色、肉球の色、目や鼻の様子、など 身体全体の様子をみます。
ペットの身体、耳、口、の臭いをかぎます。 鳴き声や動いたときの音、呼吸音、聴診器による聴診を行います。
身体に触れて、毛や皮膚の様子、筋肉の付き方、お腹の張り、触ったときのペットの反応などを診ます。
ペットの食事内容や食べる様子、生活環境、日常の様子を聞き取ります。 ペットの代わりに答えられるように、ふだんから注意して観察するようにしましょう。