〜 日光浴とセロトニン 〜
太陽光を浴びていますか?
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屋内で過ごす時間がほとんどの現代人は、日光を浴びる時間が極端に減っています。
日中は職場や学校でほとんど外に出ない人、夜型生活で朝日を浴びることがあまりない人が増えているからです。
日の光を浴びることが生活の中に普通にあった時代では問題にならなかった日光不足が、近年危惧されてきています。

今、人と暮らしているワンちゃんやネコちゃんの多くは、住まいの環境や生活の仕方も人に近づいています。
外出自由のネコちゃんや室外で暮らすワンちゃんは減り、人と同じ室内で暮らすケースが多くなりました。
そして、ワンちゃんネコちゃんにも、人と同じように日光不足が迫っています。

オゾン層の減少などによる紫外線の有害性が指摘さるので、なるべく陽に当たらないようにする傾向もあります。
もちろん紫外線対策は大切なことですが、それに気をつけつつも日光浴がすすめられる理由がいくつもあります。

【日光浴で得られる効果】
1、ビタミンDの生成

2、体内時計の調節と睡眠
3、セロトニンの分泌

【セロトニンの働き】
・体内時計の調節と覚醒作用
・気分調節
・痛覚の抑制
・運動機能

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1、ビタミンDの生成

日光の中の紫外線は、ビタミンDを合成するのに必要です。

ビタミンDは皮膚でコレステロールからから生成されますが、そのためには日光の中の紫外線を浴びる必要があります。

ワンちゃんネコちゃんの方がビタミンDの必要量が多いとされているので、重要度が高いといえます。

ワンちゃんやネコちゃんは毛があるため、人よりも皮膚から作られるビタミンDの量は少ないですが、要求量が多いので大切な供給源であることは間違いありません。

ビタミンDの効果

●カルシウムの吸収をたすける
●骨や歯の形成・再構築
●血中カルシウム濃度の調整
●ビタミンAの吸収をたすける
●ガン細胞の増殖を抑制し、正常細胞へと分化誘導する
●発毛調整作用
●免疫調整作用
●認知症予防



2、体内時計の調節と睡眠

動物は朝日を浴びることで体内時計をリセットすると言われています。
体内時計は体内での生活リズムを作り出し、ホルモンバランスの調整やその日の夜の睡眠に影響します。体内時計が乱れるといろいろな問題が体に起こってきます。

動物の体内時計は、地球の自転時間の24時間が基本になっています。
しかし、多少のずれは生じるため、調整する必要があります。
その調整役が太陽の光です。

太陽の光を浴びる
視神経を介して日光の刺激が視交叉に届く
視交叉が体内時計を調節し、交感神経が活発化する
  ↓
視神経を介して日光の刺激が松果体へ届く
松果体が刺激されてセロトニン神経からセロトニンが分泌する
セロトニン分泌から10〜14時間後にメラトニンの分泌が最大になる

メラトニン
メラトニンは眠りに関係した、「睡眠ホルモン」の一種です。
メラトニンが分泌されると副交感神経系が優位になり、脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備が出来たと体が認識して、睡眠に向かわせます。

メラトニンが分泌される時間は体内時計と連動しており、セロトニン分泌から10〜14時間後にメラトニンの分泌が最大になるので、昼間はほとんど分泌されずに夕方から夜間にかけて多く分泌されるようになっています。

メラトニンの働きもとても興味深いです。機会があればこれについてもお知らせしたいと思います。



3、セロトニンの分泌

セロトニンはセロトニン神経から分泌され、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関係します。

セロトニン神経は呼吸や歩行、食事、グルーミングなどのリズム運動で興奮し、起きているときのいろいろな活動に適度な緊張を与える役割があります。

起きているときに、セロトニン神経の活動が充分でないことが続くと、うつ病や慢性疲労症候群などの症状が現れやすいと言われています。

セロトニン神経は、睡眠に入ると活動は弱くなり、レム睡眠になると活動が休止します。

■セロトニンの働き

セロトニンは、メラトニンの分泌調節だけではなく多くの仕事をしています。 その中からいくつかの働きを紹介します。

体内時計の調節と覚醒作用

セロトニンは、覚醒状態を維持する働きがあります。
交感神経系を刺激して血圧や心拍数を上昇させたり、体温を調節をして体の活動性を高める作用を持っているからです。

夜、寝ている間はメラトニンの分泌が優位で、セロトニンはほとんど分泌されていません。

朝になり日光を浴びて光刺激が目から松果体に届くと、メラトニンの分泌は止まりセロトニン分泌が活発になります。

セロトニンの量が増えることで、体と脳は覚醒状態になります。
日光刺激で、セロトニンとメラトニンの分泌をコントロールすることで、体内時計の調節も行われています。



気分調節

セロトニンは、 ノルアドレナリンやドーパミンの分泌をコントロールする役目を担っています。
その調整によって、不安やイライラを抑え、感情の暴走を制御しています。

※ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンは、全て交感神経系を興奮させる物質で、抗ストレス作用を持ちます

このようなコントロール役のセロトニンが不足すると、気分が安定しなくなり、キレやすい、落ち着かない、衝動的、怒りっぽい、などがみられるようになります。

セロトニンが正常に分泌されることで、バランスの良い安定したを精神状態を保てるといえるでしょう。

痛覚の抑制

セロトニンは痛みを伝達する痛覚伝導路を抑制する働きがあるので、セロトニンが分泌されると痛覚が緩和されます。

セロトニンが不足して、疼痛抑制が弱くなると原因不明の痛みを感じることもあります。

運動機能

セロトニンは、食事や呼吸、歩行などのような反復運動(リズム運動)をスムーズに働かせる働きがあり、その運動はセロトニンの分泌を促すので、リズム運動はセロトニンとの良い循環を生みます。

また、セロトニンは運動ニューロンを介して姿勢筋や抗重力筋にも作用するので、姿勢を良くしてくれます。


*おまけ

「貧乏ゆすり」はお行儀が悪いとされていますが、これもリズム運動です。
イライラしているとき、落ち着かないときに「貧乏ゆすり」でセロトニンの分泌を促して、気分の調節を行っているんです。

散歩やガムを噛むこともリズム運動なので、気分を落ち着かせる効果があります。



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