〜 女の子の大切なお話 犬編 〜
ライン

ついこの間まで子犬だと思っていたら、いつの間にかお年頃。
そんな時、ちょっとあわててしまう飼い主さんもいるのではないでしょうか。
でも、ちゃんとポイントを知っていれば、焦る必要もありませんし準備もできます。

メス犬は、体の成長が一段落して性成熟を迎えると、最初の発情を迎えます。
小型犬で生後6〜9ヶ月頃、中型犬で7〜12ヶ月頃、大型犬で10〜18ヶ月頃になります。
犬の発情期は、発情前期、発情期、発情後期に分けられます。

発情前期:7日〜10日間
外陰部がふくらみ腫れたように見える 
      出血もみられる
      オス犬が引きつけられてくるが、メス犬はまだオス犬を受け入れない

発情期:7日〜10日間
発情期に入ると出血は止まり、オス犬を受け入れるようになる

発情後期:2〜3週間
発情期が終わると、またオス犬の交尾行動を拒絶するようになる
陰部の腫れも徐々になくなり小さくなる

*発情後期が終わると、次の発情期まで約半年程度の発情休止期に入る


【 犬の発情 Q&A  】

Q.発情期の犬の精神状態ってどうなの?

Q.出血にはどう対処すればいいの?

Q.出血が始まったら動物病院に行ったほうが良いの?

Q.発情期の食事で気をつけることは?

Q.散歩の量は減らしたほうが良いの?家でおとなしくさせておくべき?

Q.生理パンツをしていると、うんちとオシッコを我慢しちゃう

Q.わが家の犬は年に3回生理が来るけど、これって異常ですか?

Q.発情サイクルが一定ではありません。診察を受けたほうが良いですか?

Q.妊娠は避けたいのですが、出血しているときに特に気をつければいいですか?

Q.出血以外の分泌物が出てきます。これは病気のサインですか?

Q.膿の混じった出血があります。これは病気のサインですか?

Q.犬が偽妊娠になるとどんな様子になるの?

Q.不妊手術はいつさせればいいの?良いタイミングは?


ライン


Q.発情期の犬の精神状態ってどうなの?

A.普段と変わらない犬もいる一方、多少神経質になる犬もいるようです。

飼い主との信頼関係が強いほど精神状態が安定していると云われているので、日頃からコミュニケーションを充分にとっておきましょう。



Q.出血にはどう対処すればいいの?

A.出血を見ると痛々しいし、家の中に着く血のお掃除もたいへんですね。
生理用パンツやナプキンなどいろいろな犬用の生理用品が、さまざまなサイズで市販されています。
これらをうまく利用するとたいていの問題は解決すると思います。

ただ、パンツが苦手、どうしても脱げてしまう、というケースもあります。
そういう場合は、サークルなどで犬の行動範囲を限定し、そこにペットシーツを敷くといいでしょう。



Q.出血が始まったら動物病院に行ったほうが良いの?

A.発情は病気ではないので、特に気になることがなければ診察は必要ありません。
犬の発情が初めてという場合や、困ったことがあるときには、ぜひ相談してください。 

また、いつもの発情と違う場合は、早めに診察を受けるようにしましょう。



Q.発情期の食事で気をつけることは?

A.発情期に与えてはいけないものはありませんし、追加すべき食材や栄養素も特にありません。

いつもと同じ食事を、いつもと同じ量与えることが大切です。



Q.散歩の量は減らしたほうが良いの?家でおとなしくさせておくべき?

A.発情中だからとって運動を控える必要はありません。いつものように散歩に出かけて大丈夫です。

ただ、出血量が多いのにパンツをはいてくれない、散歩中にオス犬が寄ってきてしまう、など、散歩自体がしにくい状況であれば、散歩の時間や散歩コースなどに工夫が必要になるかもしれません。



Q.生理パンツをしていると、うんちとオシッコを我慢しちゃう

A.発情対策として生理パンツを利用している方は多いと思いますが、パンツをはいていると排泄ができない子は少なくありません。

このような犬の場合、飼い主さんが犬の排泄の機会を作ってあげる必要があります。

発情中はいつもより排泄の回数が増える傾向があるので、我慢させないようにしてあげましょう。

また、パンツをはいていても排泄できる犬の場合でも、できればいつも通りの排泄ができるようにしてあげましょう。



Q.わが家の犬は年に3回生理が来るけど、これって異常ですか?

A.春と秋の年2回の発情が一般的ですが、最近は季節や回数も犬によって異なってきています。
特に季節はまちまちで、真夏や真冬に発情を迎えることも珍しくありません。

室内飼育による、日照時間や温度感覚の変化が原因といわれています。
年に3回、または1回の発情でも、毎年その周期で来ているならまず問題ありません。

もし、年によって回数が異なるのなら、ホルモンバランスに異常がある可能性が高くなります。



Q.発情サイクルが一定ではありません。診察を受けたほうが良いですか?

A.年に1回や3回でも、毎年そのサイクルであれば問題ありません。

しかし、年によって回数がまちまちの場合、ホルモンバランスの異常が考えられます。

加えて、陰部の腫れ方や出血の量、精神状態などで、発情ごとに違いがみられるようなら動物病院で診察を受けることをお勧めします。



Q.妊娠は避けたいのですが、出血しているときに特に気をつければいいですか?

A.妊娠は、卵子と精子が出会って受精して始まります。
つまり、排卵(卵子が子宮内に放出されること)されたタイミングでの交尾すると、妊娠しやすいことになります。

排卵は、発情期に入って2〜3日後(出血から数えて13〜14日目)にされることが多いため、その前後2日くらいが最も妊娠しやすい交尾期間(出血から11〜16日)ということになります。

妊娠しやすい時期は、出血しているときではなく、出血が終わってからということになります。

妊娠をさせたくなければ、少なくとも発情後期になるまで、できれば発情が終わるまで気を抜かないでください。



Q.出血以外の分泌物が出てきます。これは病気のサインですか?

A.陰部から出血以外にも分泌物は出てきます。
色が白っぽく、時々見かけるが出続けることがない、というものなら問題ありません。

黄色みかがっていたり、緑色っぽい場合は細菌感染が起こっている可能性があります。

出てくる頻度や量、色の濃さなどがいつもと違うようなら、分泌物を乾燥しないように(アルミホイルや小さいケースに入れるなど)して、新鮮なうちに獣医師に見てもらいましょう。



Q.膿の混じった出血があります。これは病気のサインですか?

A.色は血液だけど濁っていて変な臭いがする、血に膿が混じった色をしている、そのような場合、子宮蓄膿症になっている可能性があります。

水をたくさん飲みオシッコの量も多い(多飲多尿)症状も見られれば、子宮蓄膿症の可能性はさらに高くなります。

疑わしい場合はすぐに動物病院で診察を受けてください。
発情が終わった後、1ヶ月くらい経ってからみられることも多いので、気を抜かないでください。



Q.犬が偽妊娠になるとどんな様子になるの?

A.偽妊娠は、妊娠と同じ様な体の変化や行動の変化が見られる問題です。
体の変化は個体差がありますが、主に乳腺が腫れたり、お乳が出始めたりなどがみられます。

行動の変化としては、身近なものを子犬のように守ったり、押し入れや人の目が届かないところに巣づくりをする行動、情緒不安定などが見られます。

偽妊娠の多くは、治療をしなくても時間と共に治ります。
しかし、何度もくり返すようなときは動物病院に相談しましょう。



Q.不妊手術はいつさせればいいの?良いタイミングは?

A.女性ホルモン由来の疾患(卵巣子宮疾患、乳腺腫瘍、子宮蓄膿症など)発症のリスクを低くすることも期待するなら、最初の発情前か1回目の発情後が最適です。

発情や妊娠を避けるのが目的なら、年齢に関係なく、健康状態に問題がなければ発情休止期に行うことができます。

当然のことながら、若い方が手術の影響も少なく回復も早いので、不妊手術を考えているのなら先延ばしにしないようにしましょう。






copyright(C)1999〜 高円寺アニマルクリニック
ホームページに掲載の文章・画像・写真などを無断で複製することは法律で禁じられています。
すべての著作権は高円寺アニマルクリニックおよびBridgeに帰属します。
MENU

高円寺アニマルクリニックTOPへ
高円寺アニマルクリニックの設備、スタッフ、診療方針等々の情報ページです
高円寺アニマルクリニックまでの地図
ペットの基礎知識
当院が監修した記事掲載の書籍をご案内します
初診でおいでになる飼い主さま用記入フォームです
このHP全体をご案内します
MRI/CTのキャミック
ペーパークラフトの部屋
スケジュール予定表
お問合せフォーム