高円寺アニマルクリニック
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猫の手帳質問集

第97回
心変わりしたコと関係を修復したい
Q.

 忙しくて半年ほど『リョウ』(オス・4歳)のゴハンや世話を、母や家族(父と妹弟がいます)に任せていたら、態度がよそよそしくなってきました。

決定的だったのは、2カ月ほど出張で家を留守にした後です。

私のことを見ても知らんぷり。顔を近づけるとそむけます…。

どうすれば、昔みたいに触れ合えるでしょうか?


A.

 “犬は人につき、猫は家につく”と言われます。このことわざは、猫の2つの特徴を言い表していると思います。

猫の習性を理解する

  1つめは、猫は環境にこだわり、生活圏に固執して生活しているということです。

自分の周りの環境が変わることを嫌い、環境の変化が大きなストレスになることもあります。

引越ししても、前の家に戻ってしまうことがあるくらいです。

  野生時代の猫は、狩りによって獲物を手に入れ、生きてきました。

猫にとって狩りと生活の場であるテリトリーを守ることは、生き残るために最も大切なことでした。

そのため“誰と生活するか”よりも、“どこで生活するか”のほうが生存のために重要だったのです。

犬の場合には、群れで移動しながら狩りを行うため“誰と生活するか”のほうが重要なのです。

遺伝子に残る水への執着!?

  人と暮らすようになった飼い猫にとって、狩りの場を確保することはさほど重要ではなくなっていますが、テリトリー意識は、今も強く残っています。

  次に、このことわざは、“犬は3日飼えば3年恩を忘れないのに、猫は恩をすぐ忘れてしまう”と、犬をほめる意味で使われることもあります。

これは猫の社会性についての特徴もよく表しています。

犬は社会性が強く縦方向の関係を重視するので、人との結びつきが大切になります。

しかし猫の場合は社会性が強くないので、人との関係は犬より希薄で、人は重要だけれど環境を構成する要素の1つとしての位置づけのようです。

  とはいっても、飼い主は母猫のような保護者でもあり、子猫が母親に甘えるように、頼りにしているのは確かです。

飼い主と猫が1対1で生活している場合には、飼い主への依存性が驚くほど強くなってしまうこともありますが、普通はそこまで頼り切ることはなく、一定の距離を持った関係を構築しています。

  家族が複数の場合や他にも猫や犬がいる場合には、その傾向が顕著で、頼りにしている順番や気に入っている順番は決まっています。

しかし、それは流動的で、状況に応じて変化していくようです。

無理をせず関係修復

  飼い猫によそよそしくされるのはつらいこと。以前のように仲良くしたいと思う安藤さんの気持ちは、とても理解できます。


  安藤家は5人家族で、『リョウ』君が頼る相手が他にもいることが大きなポイントとなります。猫との関係修復のためには、まず食事を与える係に戻ることです。

食事をくれる人には、どんなときでも猫の方から近づいてくるからです。

  そして1番重要なのは、“上手に猫を放っておくこと”です。

猫はしつこくされることが嫌いです。

スキンシップを強引に図ろうと一方的に触ったり、無理やり布団に入れようとすると、猫は近づかなくなってしまいます。猫の嫌がることをする人は、嫌われてしまいます。

  でも、放っておくだけでもだめです。かまって欲しいとき、なでて欲しいときには、ちゃんと相手をしてあげなくては猫は満足しません。

この、“放っておくタイミング”と、“かまってあげるタイミング”のツボを上手に見極められれば、猫の方から挨拶をしてくるようになるでしょうし、「遊んで」と甘えてくるようになるでしょう。


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