猫にとってスキンシップは、飼い主からの愛情を感じる、とても大切なものです。
ブラッシングはもちろん、耳や歯の手入れも、一緒に遊んであげることも、全部スキンシップなのです。
愛情を伴ったスキンシップは、猫に飼い主の愛情を感じさせるとともに、信頼感も持たせるようにしてくれます。
腰叩きもスキンシップ
不安なとき、寂しいとき、怖いときなど、声をかけられながら優しく体をなでられると、猫の気持ちは落ち着きます。
猫の体をなでていると私たちも気持ちが良いですが、猫も気持ち良さそうにゴロゴロとのどを鳴らします。
グルーミングは、スキンシップの中でも、最も猫と飼い主の関係を親密にさせます。
グルーミングを定期的に行うと、皮膚が適度に刺激を受け血行や毛のつやも良くなります。
また皮膚や毛のチェックもできて、皮膚の傷や炎症、ノミやダニなどの外部寄生虫なども早期に発見することができます。
私が大学時代に飼い始めた猫『バディ』 は、頭頂部や後頭部を強めに叩かれるのが大好きでした。
私にされるのはもちろん、机の下やカラーボックスに頭をつっこんで、ゴツンゴツンとやっていました。
なぜそれが好きになったのかはわかりません。
『まる』ちゃんやバディのように強い愛撫を好む猫も少なくないようなので、腰叩きを好むのを心配することはないと思います。
ただし、腰叩きがマッサージとして効果を発揮しているかは、私にはわかりません。
腰痛があれば、普通は痛みを示す行動が伴います。それがないのなら、腰痛とは思われません。
どうしても心配であれば、レントゲン検査や神経学的検査を受けてみて下さい。
猫にとってのプラセポ
猫が飼い主との決まったコミュニケーションによって、喜びや幸せを感じているのなら、あなたは猫にとってプラセボなのかもしれません。
“プラセボ”という言葉をご存じでしょうか?
“偽薬”とも訳されますが、語源はラテン語で、“私を喜ばせる”という意味があるそうです。
そこから、患者さんを喜ばせることを目的とした、薬理作用のない薬のことを指すようになったのです。
プラセボ効果とは、乳糖や澱粉、生理食塩水など、薬理作用のないものによって発現する症状や効果のことを言います。
つまり、「これは痛みによく効くよ」と言われて澱粉を飲んで痛みが和らいだり、「副作用として吐き気が出るかも」と言われると、乳糖を飲んで吐き気をもよおしたりすることです。
方法が西洋医学でも、代替療法や民間療法でも、その方法を信じていれば、信じることそのものが体の治癒カを引き出すことがあるのです。
プラセボ効果の源泉は“期待”です。“期待”が身体の生理的な反応にも影響することは、よく知られています。
その治療法や薬に期待していればいるほど、プラセボ効果は現れやすいと言えます。
“期待”は学習や条件付けによって生まれてきます。
問題は、プラセボの源泉である“期待”を、猫が経験によって学習していけるかどうかです。
人との接触がほとんどない野生の猫は、人からの干渉にストレスを感じるでしょうが、家庭猫の場合は、人との付き合いに慣れているので、“期待”することを学習しやすいでしょう。
特に人と親密で良好な関係を築いている猫ほど、よく学習します。
子猫の特徴を残す猫や社会性の高い猫も、学習効果がよく現れます。
“期待”することを覚えた猫は、プラセボ効果が現れる可能性が高いと言えます。
自分が猫にとって良いプラセボだと感じられたら、こんな事せなことはないですね。 |