第89回
Q.

 うちの『ミルク』(1歳・メス)は、2〜3カ月前からウンチだけを部屋の隅の同じ場所ですることが多くなりました。ミルクは同居猫(4歳・メス)と2匹で室内飼い。

トイレは3カ所で、掃除も朝・夕2回しています。特に大きな環境の変化もなく、2匹の相性も、良くもなければ悪くもない感じ。日中は2匹だけで留守番していることが多いです。

今まではちゃんとトイレでしていたし、オシッコは今でもトイレでするのに、原因が分かりません。


A.

 外出自由の猫や完全自由猫(通称野良猫)のように、外で自由気ままに過ごしている猫は、毎日全く同じ場所で排泄したりはしません。

季節や天気、人や車の動き、自分の体調や気分、排泄したくなったタイミングなど、いろいろなことが関係し合った結果 、数カ所の排泄場所の中から1カ所を選んで、そこで排泄します。また、同じ排泄場所を、複数の猫が長期間にわたって共有することもありません。

 そのようなことから考えると、家猫が、毎日決まったトイレで排泄していることは、不自然なことなのかもしれません。複数の猫で1つのトイレを共有し続けることは、さらに不自然といえるでしょう。

 猫にとって、お行儀よく毎日決まった場所で排泄するのは、決して当たり前のことではないのです。

そそうの原因は様々

 不適切な場所での排泄の原因は、大きく4つに分けられます。

(1)医学的疾患
 泌尿器系、消化器系、内分泌系などの疾患がある場合です。
 動物病院で診察を受けて、体のトラブルがあれば、まずそれを治療しましょう。

(2)トイレに対する不満
 猫が今までのトイレに満足していたとは限りません。トイレの場所、トイレ容器の形や大きさ、猫砂の有無、猫砂の重さや臭い、掃除の頻度など、猫によって好みが違います。

 ちょっと変えてみることで改善したケースは少なくありません。やってみる価値は十分にあります。

(3)不安やストレスのある状況
 不安やストレスをもたらしている状況を改善します。原因がはっきりと特定できなくても、思い当たることを見直すだけでもいい結果 をもたらすことがよくあります。

(4)ディスプレイ行動
 悪事を隠して知らないふりをする「ネコパパ(猫糞)」という言葉があるように、猫は自分の便を砂や泥で埋める習性があります。これは自分の臭いを弱めるためにする行動で、社会的に弱い立場の猫に見られます。

 逆に、一部の社会的に強い立場にある猫は、埋めるどころか、臭いが効果 的に伝わる場所に堂々と排便(ディスプレイ)します。

成長による変化かも

 『ミルク』ちゃんの場合、排尿はトイレでするのに、排便は部屋の隅でするという点に特徴があります。

(1)の医学的疾患は除外して、改書策を考えてみます。

(2)トイレに対する不満
 トイレの見直しは実行してみましょう。共用のトイレを複数ではなく、それぞれ個々のトイレを用意してみましょう。他の猫とトイレを共有することを嫌う猫は少なくありません。また、ミルクちゃんが成長したことで、力関係やテリトリー意識に変化が生じて、同じトイレを嫌うようになった可能性もあります。

(3)不安やストレスのある状況
 思い当たることが少しでもあれば、改書してあげてください。

(4)ディスプレイ行動
 ミルクちゃんの成長によって、家の群れの中での社会的地位の向上を目指すようになって、このディスプレイ行動が現れたのかもしれません。これもトイレを増やすことで改善されるかもしれません。

習慣化された場合には


 数カ月間続いていると習慣化され、原因が取り除かれても排便行動が続いてしまう場合があります。

 それを想定して、いつも排便する場所で食事を与えたり、フェロモン剤(マーキング予防、リラックス効果 )などを併用するのも、いい方法です。


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