外出自由の猫や完全自由猫(通称野良猫)のように、外で自由気ままに過ごしている猫は、毎日全く同じ場所で排泄したりはしません。
季節や天気、人や車の動き、自分の体調や気分、排泄したくなったタイミングなど、いろいろなことが関係し合った結果
、数カ所の排泄場所の中から1カ所を選んで、そこで排泄します。
また、同じ排泄場所を、複数の猫が長期間にわたって共有することもありません。
そのようなことから考えると、家猫が、毎日決まったトイレで排泄していることは、不自然なことなのかもしれません。
複数の猫で1つのトイレを共有し続けることは、さらに不自然といえるでしょう。
猫にとって、お行儀よく毎日決まった場所で排泄するのは、決して当たり前のことではないのです。
そそうの原因は様々
不適切な場所での排泄の原因は、大きく4つに分けられます。
(1)医学的疾患
泌尿器系、消化器系、内分泌系などの疾患がある場合です。
動物病院で診察を受けて、体のトラブルがあれば、まずそれを治療しましょう。
(2)トイレに対する不満
猫が今までのトイレに満足していたとは限りません。
トイレの場所、トイレ容器の形や大きさ、猫砂の有無、猫砂の重さや臭い、掃除の頻度など、猫によって好みが違います。
ちょっと変えてみることで改善したケースは少なくありません。
やってみる価値は十分にあります。
(3)不安やストレスのある状況
不安やストレスをもたらしている状況を改善します。
原因がはっきりと特定できなくても、思い当たることを見直すだけでもいい結果
をもたらすことがよくあります。
(4)ディスプレイ行動
悪事を隠して知らないふりをする「ネコパパ(猫糞)」という言葉があるように、猫は自分の便を砂や泥で埋める習性があります。
これは自分の臭いを弱めるためにする行動で、社会的に弱い立場の猫に見られます。
逆に、一部の社会的に強い立場にある猫は、埋めるどころか、臭いが効果
的に伝わる場所に堂々と排便(ディスプレイ)します。
成長による変化かも
『ミルク』ちゃんの場合、排尿はトイレでするのに、排便は部屋の隅でするという点に特徴があります。
(1)の医学的疾患は除外して、改書策を考えてみます。
(2)トイレに対する不満
トイレの見直しは実行してみましょう。共用のトイレを複数ではなく、それぞれ個々のトイレを用意してみましょう。
他の猫とトイレを共有することを嫌う猫は少なくありません。
また、ミルクちゃんが成長したことで、力関係やテリトリー意識に変化が生じて、同じトイレを嫌うようになった可能性もあります。
(3)不安やストレスのある状況
思い当たることが少しでもあれば、改書してあげてください。
(4)ディスプレイ行動
ミルクちゃんの成長によって、家の群れの中での社会的地位の向上を目指すようになって、このディスプレイ行動が現れたのかもしれません。
これもトイレを増やすことで改善されるかもしれません。
習慣化された場合には
数カ月間続いていると習慣化され、原因が取り除かれても排便行動が続いてしまう場合があります。
それを想定して、いつも排便する場所で食事を与えたり、フェロモン剤(マーキング予防、リラックス効果
)などを併用するのも、いい方法です。 |