変わったところの水を飲むのは、猫では珍しくありません。
むしろ、一般的とまで言えるかもしれません。
飲む場所に個性が表れるなら、飲み方にも個性が出ても不思議ではありません。
基本的には、強い消毒剤や洗剤や薬剤などが入っていなければ、私たち飼い主さえ我慢できれば、どこでどのように飲んでも大きな問題にはならないでしょう。
好みの水や飲み方を一度見つけると、その方法に強烈にこだわる猫は少なくありません。
飼い主がその飲み方で不快感や迷惑を感じないのなら、また、ちょっと迷惑でも譲歩できるのなら、そのやり方を認めてあげるとキャット・ウォッチングが楽しくなります。
一般的に猫は濡れるのを嫌う傾向がありますが、水で遊ぶことを好む猫もいます。
トルコ東部にあるヴァン湖から名前が付いた『ターキッシュ・ヴァン』という猫は水が大好きです。
この猫は、この地域では『スイミング・キャツト』として知られています。
初めて見たイギリス人が、あまりに上手に泳ぐので足の指には水掻きがあると旅行記に書いているくらい水を得意としています。
雨の日になると喜んで水溜りにすっとんで行く猫もいるらしいです。
もちろんお風呂も大好きです。ターキッシュ・ヴァンでなくても、濡れることを苦手としないで喜びとする猫は、そこそこいるものです。
私の知っている、水に関してちょつと変わっている猫についていくつか紹介しましょう。
手ですくって水を飲む猫の話は時々聞きます。
前足で水をすくってはペロリと飲み干します。
時には水をバシャバシャ掻き出すこともあります。当然水入れ食器の周りは、いつも水浸しになります。
そして、水遊びの後にトイレに行くと、前足は砂まみれ、そして水の中にも砂が沈んでいます。
でも、肉球についた水をペロペロおいしそうになめている姿を見ると、「まあいいか」と思ってしまうでしょう。
蛇口からの水が大好きという猫もたくさんいます。
飲まずに、雫に猫パンチをして遊ぶ猫もいます。
その中でも私が知る中で一番印象的だった猫の話をします。
その錨は人のいない流しには興味がありません。
人が水を使い出すと、流しに飛び乗り、流しの下にたまった水を飲み始めます。
この飲み方をすると、必ず頭から水をたっぷりかぶることになりますが、本人は全く気にすることなく平気で水を飲み続けます。
飲み終わった猫の歩いたあとには、小さな水たまりがたくさんできてしまいます。
でも家族はみんな、叱ることなく温かい目で見ているようです。
夏は水でOKですが、寒くなるとお湯じや無いとダメという猫もいます。
また、他の猫が飲んだ水は飲みたくなくて、他の猫が飲んだあとは必ず人間に“入れ替えろ!”と鳴いて要求する猫もいます。
飲み水はお風呂の水と決めている猫もいます。
お風呂に入っているとドアの側に座って開けるのを待っていて、入れてあげるとフタに乗って片手はフチに引っ掛けて、片方の手を一生懸命伸ばして手を丸め湯をすくい飲むのだそうです。
最近はそのコも年を取ってきたので、オケにお湯を入れてあげると嬉しそうにすくい取って飲んでいるそうです。
水に関することだけでも、面白い行動は猫の数だけあると思います。
このような癖は、愛らしく個性的な行動です。
好意的な目で見て、我が家の猫自慢のネタにしてしまいましょう。 |