猫は本能的に、砂や土の上で排泄をしたいという欲求を持っています。
これは子猫の場合も同じです。
排泄をする前に砂や土をかき分けて浅い穴を掘り、排泄した後さらに掘って排泄物を隠します。
排便の時には、より丁寧に隠す傾向があるようです。
猫の排泄に伴う一連の行動には、個体差がありばらつきはありますが、おおむねこのような流れで行われます。
ネコババ(漢字で書くと猫糞)という言葉がありますが、これは猫が糞に泥や砂をかけて隠すことから、悪事をごまかして知らない顔をすることを言います。
このような言葉ができるくらい、猫の排泄と砂をかける行動は、昔からセットになって理解されていました。
このような行動と決まった場所に排泄する行動から、猫は比較的容易にトイレの習慣を覚えてくれます。
家の中に砂があれば、教えなくてもそこを自ら選んでトイレとするケースさえあります。
トイレの学習は、子猫の場合、食事の後に優しくトイレに何度か連れて行って、トイレの砂を使うようにし向けることから始まります。
子猫がトイレの外でお漏らしをしてしまっても、便ならトイレにそのまま入れるだけ、おしっこならトイレの砂にしみこませてトイレに戻します。
便や尿をトイレに入れるだけで、そこが排泄に適した場所であることを子猫に教えることができます。
多くの場合、子猫はトイレをすぐに覚えてしまうので、叱る必要を感じないでしょう。
猫がトイレで排泄をしない、またはしなくなった場合、大きくわけて4つの理由が考えられます。
1.素材嫌悪:トイレが嫌い(形、深さ、色など)。砂が嫌い(素材、形状、垂さなど)。
2.場所嫌悪:清潔でない。他の猫が占領している。トイレに入ると猫や人などに邪魔される。
3.素材嗜好:砂以外の素材が好き(寝具、タオル、衣類、ゴミ袋などのやわらかい素材を好む)。ある素材以外の砂は嫌。
4.場所嗜好:場所嫌悪の結果、起こることが多い(他の猫の来ない場所、静かな場所など)。
■問題解決の6つのヒント
(1)トイレの数
1匹に1個。できれば匹数+1が望ましいです。
(2)トイレ砂の検討
さまぎまなトイレ砂があるので、実際に猫に使わせて反応をみましょう。
トイレの検討もできれば最高。
(3)清潔なトイレ
砂をきれいな状態に保ちます。砂の手入れは毎日しましょう。
トイレの掃除も週に1回はしてください。
(4)被害を受けた場所の徹底した清掃
消臭剤などを使って、表面だけではなく深部にわたって痕跡を消します。
繰り返しの被害に備えて、防御処置を施すことも重要です。
(5)トイレの正の条件付け
猫をトイレに頻繁に連れて行きトイレを使って排泄ができたら、必ずほめてあげます。
(6)トイレ以外での排泄に対する負の条件付け
猫は排泄の開始時に邪魔されるのをとても嫌うので、そのタイミングで驚かして排泄をあきらめさせることができれば、その場所に負の条件付け(場所嫌悪)ができます。
(1)から(6)をしっかりやれば、大抵はトイレを使うようになってくれるでしょう。
しかし、猫の中には、どうしてもこちらの希望通りにトイレを使ってくれない猫もいます。
そのような場合、限られた空間での生活から始めるのも1つの方法です。
トイレを適切に使うことができたら、少しずつ活動空間を広げていきましょう。 |