今回の猫は、精神的に子猫のままになってしまった、幼児性から抜け出せていないケースのようです。
幼い子猫の時から、母猫ではなく人の手で育てられた場合、子猫と飼い主の関係は子供と母親の関係になります。
成長とともに、ほとんどの猫は多少の幼児性は残すものの、大人の猫として自立していきます。
しかし、なかには自立できずに、飼い主に依存したまま大人になってしまう猫もいます。
このような猫は、授乳時の子猫のように、飼い主に対して過剰な愛情を持っています。
幼猫が母猫の後追いをするように飼い主の後を始終ついて回り、トイレやお風呂にまでついてきて中に入りたがったり、ドアの外でじっと待っていたりします。
少しでも姿が見えなければ大声で飼い主を呼び、無視されたり姿の見えない状況が続けば、飼い主が在宅していても問題行動が現れることもあリます。
少しの甘えは残っていたほうが、飼い主も猫も楽しく暮らせるとは思いますが、ある程度は自立してもらわないと、分離不安症のような問題が起こってきます。
飼い主は、母猫が子別れの時にするように、距離を置いて猫と接し、多少突き放すようにして精神的な自立を促す必要があります。
1.狩りの本能を引き出す遊びを教えます。
狩りは大人の行動であり、飼い主以外へ興味を持たせるきっかけになります。
2.ひとりで遊べるおもちゃを与えます。
また、他の猫も交えて、一緒に遊んだり運動する機会を作りましょう。
十分な運動は体と精神へのいい刺激になるとともに、適度な疲労はストレスやフラストレーションを解消してくれます。
3.姿が見えなくなっても、必ず戻ってくることを教えます。
短い時間からはじめてみましょう。
飼い主がいないことによるストレスの度合いが減っていきます。
4.まとわりついても無視し、我慢できたらしっかりほめます。
猫から甘えてきても無視しましょう。
猫と触れあう場合には必ず飼い主からアプローチするようにしましょう。
よい行動には褒美を与えてその行動が出やすくし、問題行動には無視という罰を与えます。
肛門腺は、臭腺などと呼ばれ、強烈な臭いの分泌液を出すところです。
猫同士の挨拶(お尻の臭いをかぎ合う)に使われ、性的な主張をするともいわれています。
普段はこのような役目に使われますが、恐怖を感じたときや興奮したときには肛門腺が収縮し、分泌液を出すことがあります。
今回のケースは、甘えられそうだという期待と興奮が、肛門腺の収縮をもたらしているようです。
もしかすると、性的な興奮も含まれているかもしれません。
問題行動を放置しておくと、その性格は根深く残ってしまい、やめさせるのがだんだん困難になっていきます。
単なる甘え行動だと簡単に考えず、深刻な問題になる前に、少しずつトレーニングを行い、ゆっくりとでも改善するようにしていくことが大切です。 |