食事に関する異常としては、過食、異食、食欲低下、拒食、嘔吐、などがあります。
まず一番に考えなくてはいけないのは、消化器系の疾患です。
また、肝臓や、すい臓など、代謝系に異常がある場合にも、食欲や食事量
に影響が出てきます。
猫の7歳は、人間の45歳くらいに当たります。体のどこかでトラブルが起き始めていても不思議ではない年齢です。
健康診断として1度診察と検査を受けましょう。
人間ドックのように、誕生日やワクチン接種の時に、定期検診を受けるのはとても大切なことです。
早期発見が大事なのは猫も人も一緒です。
身体的な異常は見つからなかったと仮定して話を進めていきますが、似たようなケースであっても心因性の問題と安易に判断しないで、必ず身体的な診察や検査を受けてください。
身体的な疾患がないのに、異常な食欲を示す場合、精神的な問題が関係していることがあります。
心因性過食痘(心因性多食症)は、猫の生活に起こった大きな変化や緊張をもたらす出来事と、時期を同じくして始まることが多いようです。
新しい猫が来た、家族が増えた、引っ越しをした、リフォームした、ペットホテルに預けられた、などのストレスを受けると、突然旺盛な食欲を示し始めることがあります。
おかわりをねだったり増やした食事をたいらげるのを、ずっと見ていたり褒めたりして、いつも以上の関心を示していると、問題がエスカレートしたり定着してしまいます。
今回のケースでは、過食のきっかけは引っ越しにあるようです。
猫は環境の変化に敏感な動物ですから、引っ越しによって住環境がガラっと変わったことが猫を不安にさせたのでしょう。
移動によるストレスも不安を増強したかもしれません。
過食は問題行動と判断することが難しく、はじめは見過ごされがちです。
そのため、気づいたときには問題行動として定着してしまっていることがよくあります。
ある時、決まった食事時間以外に空腹を感じて食べ物を要求したら、食べ物も手に入ったうえに飼い主の予想以上の反応を得られたのでしょう。
飼い主は「おなかがすいたのなら仕方がない」と猫の要求に応じます。
この飼い主の反応はとても普通の反応です。
かわいい猫がおなかがすいたと言えば食事をあげるのが普通です。
ただ、猫にとっては、大好きな飼い主の関心をひく最高の手段だと学習されていったと考えられます。
要求を繰り返し、何度も望ましい結果が得られることで、猫の行動は固定されていきます。
解決法のポイントは4つ。
(1)猫の食事に関心を示さない。
(2)夜間の要求には応じない。
(3)猫の問題行動に関連がある自分(飼い主)の行動を洗い出し、修正し自制する。
(4)決まった時間以外には食事を与えない。
一度固定されるとそれをやめることは猫にとってはストレスになるので、抵抗を示し容易には修正されません。
自分の要求が通
らないと、一時期行動がエスカレートすることもあります。
特に、(2)〜(4)をやり貫くためには、飼い主の一貫した強い意志が必要です。
運動や遊びを積極的に取り入れて、食べることから猫の関心をそらす工夫も大事です。 |