高円寺アニマルクリニック
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猫の手帳質問集

第43回
ドアの前で大声で鳴くのはどうして?
Q.

2年前まで外で飼っていた7歳の女の子なんですが、近所の若いオスと一度だけケンカして以来、室内飼いするようになったんです。

それからしばらくはおとなしかったんですが、ある時から毎日のように、ドアの前に座り込んで外へ出たがって大声で鳴くようになりました。

その程度がかなりひどく、時間を選ばず早朝4時くらいに異常なほどの声を上げることもあります。

これは何らかの病気なんでしょうか。それともストレスでしょうか。心配です。


A.

猫は単独生活者ですから、自然界で生活していたときには、自分の力で食事(餌場)や休息場所を確保し、その場所が奪われないようにテリトリーをパトロールしなくてはなりません。

この習性が、家猫となっても残っています。

家の中で安全に快適に暮らしている猫にも、争いを好まないおとなしい猫にも、どの猫にもテリトリー意識があります。

テリトリーの大きさは、猫の密度や餌場の数、オスかメスか、発情シーズン、攻撃的な猫の存在などによって変わってきます。

テリトリー意識には個体差があるとはいっても、家の中で安全と食事を保証されている猫と、飼い主のいない野良猫では、テリトリーを守ろうとする必死さでは大きな差があります。

外出自由の家猫が野良猫と争えば、たいていはケガを負って帰ってくることになります。

外出自由にするか屋内飼育にするか、考え方は様々ですが、日本の獣医師の多くは(私も)、屋内飼育を勧めています。

私は、屋内飼育を選択した、白石さんの判断は賢明だったと思います。

屋内飼育のメリットは、安全に飼育管理できることです。

外出すれば、交通事故などのアクシデントに出会ったり、他の猫と争ってケガを負ったり、ウイルスや寄生虫に感染する可能性があります。

また、屋内飼育なら排便排尿や日常生活を観察することができるので、体調の変化に気がつきやすく早期治療につながります。

生活の場を屋内だけに限定するのは、決して残酷な仕打ちではありません。

自然に恵まれ、住宅もまばらで猫密度が低い環境なら、外出自由の生活もいいかもしれませんが、ほとんどの住環境ではそうはいかないのが現実です。

また、同じ地域に住む人たちに、猫を詞うことで迷惑をかけたり、不快な思いをさせないことも猫を飼う上で大切なモラルです。

初めて外出を禁じられた猫は、ほとんどの場合、活発な反応をする時期を迎えます。

どうやっても外に出られない焦りと欲求不満から、破壊活動、神経過敏、やたらに鳴く、夜行性活動などが見られるようになります。

このような猫は、長い場合には数カ月も脱出できるルートを探して家中を歩き回るでしょう。

しかし、どうしても出られないとわかると、諦めておとなしく屋内の生活を送るようになっていきます。

ただ、おとなしくなった猫でも、脱走のチャンスを常にうかがっていると思ってください。
チャンスを与えればすかさず逃げ出してしまうかもしれません。

一度でも脱走できると、その猫の一番の関心事は「脱走するチャンスを手に入れること」になりかねません。

外は刺激でいっぱいだったのです。

家の中でも、人もいっしょに楽しめるような遊びで、できるだけ刺激を与えてください。

白石さんの猫のしきりに鳴く行動も、屋内飼育に切り替えた猫でふつうに見られる反応です。

めげずに「外出させない」という信念を貫くことが大切です。

場合によっては、少量の抗不安薬を処方してもらうのもいい方法です。

かかりつけの獣医師に相談してみてください。

順応期間を短くできるかもしれません。

時間をかけて確かな方法で対応すれば、ほとんどの猫はうまく順応してくれます。

諦めないでください。


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