人が生きていく中で、暮らす家族の構成が変わることは少なくありません。
結婚したり、今回のように赤ちゃんが生まれたり、増える場合だけでもいろいろなケースがあります。
猫と暮らすにあたって問題となるのは、人が減る場合より増えた場合のほうが多いようです。
今まで一緒に生活していなかった人と同居を始めると、猫がその人に馴れずに怖がったり避けたりすることがあります。
特に幼い頃にいろいろな種類の人(年齢や性別など)と出会う機会が少なかった猫は、新しい同居人になかなか馴れてくれない傾向があります。
猫が拒む態度を示しても、無理やり馴れさせよぅとしないで下さい。
逆効果になることがほとんどです。
猫のほうから馴れてくるまで、辛抱強く待ってください。
新しい家族が赤ちゃんの場合、もう少し違う対応や配慮も必要になってきます。
一般に、猫は犬や兄弟の幼児のように嫉妬心から問題行動を起こすことは少ないですが、赤ちゃんが来たことで、猫にとって著しい不利益(ケージに入れられる、隔離される、頻繁に叱られる、まったく相手にされないなど)がもたらされれば、赤ちゃんに対して悪い印象を持ってしまいます。
赤ちゃんを迎えるにあたって、猫の行動に制限を加える予定なら、赤ちゃんが家にやってくる少し前から始めておきましょう。
行動の制限と赤ちゃんを結びつけられないようにするのです。
猫や犬と幼児の間に問題が起こり始めるのは、ハイハイが始まる時期からです。
赤ちゃんが自分で動けるようになり、猫に興味を持ち始めてからトラブルが起こってくることが多いようです(この時期の注意点は次の機会に述べます)。
まず、次の項目が自分の猫に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
●食べ物に強い興味と執着心を示す
●狩りをする、外出自由
●投薬や爪切りをさせない、もしくは抵抗する
●新しい人や状況を怖がる
●飼い主や他の人に攻撃性を示すことがある
この中に該当するものがあれば、注意が必要です。
1〜2個該当するなら、赤ちゃんと同じ部屋にいさせてよいが、2人きりにはしないこと。
3個以上なら、赤ちゃんと一緒にして安全な猫とはいえません。
別の部屋で飼いましょう。
猫が赤ちゃんの寝具や衣類に、排尿排便することがあります。
とんでもないことですが、悪意や嫉妬からの行動ではありません。
マスク・マーキング行為といって、慣れない赤ちゃんのにおいを自分のにおいで覆うことで、不安を紛らわそうとしているのです。
赤ちゃんが増えたという新しい状況に慣れようとしているのですが、ストレスが高まってしまい、このような行動をとってしまうのです。
努力している過程で出てくるものなので、決して猫を叱らないで下さい。
前もって、赤ちゃんのにおいのついたタオルなどで慣らしておくのもよいでしょう。
「君も頑張っているんだね」位の大きな気持ちで、より優しく時間を割いて接してあげてください。 |