原因は4つ考えられます。
(1)自分のウンチなど食べもの以外のものを食べたがる傾向を異嗜といいます。
この異常な行動の原因は、はっきりとはわかっていません。
考えられている原因は、慢性消化器障害、寄生虫、ミネラルの欠乏など栄養のアンバランス、などです。
原因が長く続いた場合、原因が改善された後も、この症状が習慣として残ってしまうことがあります。
(2)猫が食べものでないものを口に入れて遊ぶことは珍しくありません。
猫は興味を持った対象を口に入れて、食べられるものか、かたさや感触を確かめたり、遊べるものか試したりします。
視覚、嗅覚、触覚とともに、口での感覚は猫にとって大事な感覚です。
子猫の時期に口で確かめる機会をたくさん持った猫は、好奇心が強くなり、おとなになってもこの行動が残る傾向があります。
それが食べものでなければ、たいていの猫は確認が終わった後には、口に入れることをやめてしまいます。
しかし、その猫にとってかむ感触が気持ちよかったり、興奮させるものである場合や、それの出す音が猫を興奮させたり、楽しいと感じさせるものであれば、かむ行為は簡単にはやまないのかもしれません。
ほとんどの猫は、一時の興奮が収まれば興味を失ってしまいますが、一つのものに執着してしまう猫もいます。
(3)猫のウールしゃぶりです。猫のウールしゃぶりは、猫の幼児性の名残と考えられていて、離乳の時期が早すぎると起こることがあります。
おしゃぶりは子猫にとって気持ちのよいものですが、成長とともに消えていきます。
しかし、親から引き離すことで、強制的におしゃぶり行動をできなくさせると、おとなになっても続いてしまいます。
(4)常同症といわれるもので、これは深刻です。同じ行動を間断なく、異常な頻度で繰り返しとってしまう状態です。
これに当てはまる場合は、薬物治療が必要なケースが多いので、動物病院で診断を受けることが必要です。
まず、対象となるひも状のものを猫の手の届くところから取りのぞくことを徹底しましょう。
“家からひも状のものをなくすのは困難”と書いてありますが、それから始めないと改善は望めません。
ひも状のものを置いておきながら、それを口にしないようにすることは無理です。
いずれはそのようにしていくことを目標にしますが、始めは口にできなくすることが必要です。
また、猫がいやがる味やにおいをたっぷりつけて、わざと置いておく方法もいいでしょう。
次に食欲やウンチの様子、寄生虫や食事の栄養バランスについて検討しましょう。
思いあたることがあればすぐ改善します。
また、生活の中で、遊びや刺激、楽しみを増やしましょう。
刺激が少なく退屈な状態が続くと、(2)のような理由などから、今回のような問題行動が現れることがあります。猫と過ごす時間を作って、たっぶり遊んであげましょう。
特に、猫が1人で過ごす時間が多いのなら、ぜひ始めて下さい。
運動と適度な刺激は、心身ともに満足感を与えてくれます。
精神的に満たされていけば、問題行動も減ってくることが期待できます。 |