私たちは一生の中で、否応なく家族や友人知人、生活を共にした動物の死を経験します。
そして、その深い悲しみと試練を乗り越えて生きていかなければなりません。
猫も私たち人間と同じように、愛する仲間(人でも猫でも犬でも)を失うと深い悲しみと喪失感を感じます。
深い悲しみと喪失感から抜け出すには、悲しみを他のことでごまかさずにしっかりと受け上め十分に感じることが必要です。
しっかりと受け止め、自分の中で消化することで立ち直るきっかけをつかむことができるようになるのです。
あなたの飼っている描にも、パートナーの死を隠さずに伝えましょう。
そして、悲しむだけ悲しませてやり、それから立ち直ってこられるように愛情をもって支えてあげて下さい。
人と同じように、猫も長年生活を共にした仲間を失うと、そのあとを追うように時をおかず亡くなってしまうことがあります。
食欲が極端に落ちたり体重が著しく減ってしまうようなら、一度動物病院で診察を受けましょう。
潜在的に存在していた疾患がこれをきっかけに顕在化してくる可能性も十分に考えられます。
問題が見つかれぱそれを治療するわけですが、その際に飼い主が行う看護が、猫と飼い主の愛情関係を再認識する作業にもなり、猫の精神的な立ち直りを助けることにもなります。
残された猫が10歳以下なら、新しい仲間になる子猫を迎えてみましょう。
よい結果
をもたらすことが期待できます。
10歳を越えた猫では大きなストレスになることも考えられるので、新しい猫を迎えることには慎重な姿勢が必要ですが、それでも普段から社交的な猫ならば、新しいパートナーを受け入れてくれるかもしれません。
今回相談された猫は7歳なので、子猫を新しく迎えることにトライしてみる価値は十分にあると思います。
成猫と子猫の場合、子猫は無邪気に成猫に近づいていきますが、成猫の反応はいろいろです。どうしても子猫を受け入れない猫もいます。
その時には新しいパートナーを迎え入れることは締めなくてはならないかもしれません。
成描が出産経験があるメスの場合、子猫との間に親子のような関係が生じて、かいがいしく世話をする様子が見られます。
未出産であったり避妊済みでもメスであれば、このような擬似親子関係は期待できます。
擬似親子関係ができなくても、子猫の遊びかけに兄弟や友達のように相手をしてあげるようになることも期待できます。追いかけっこをしたり狩り遊びをし合う様子が見られるでしょう。
ただ上記のようにうまくいっていても、子猫の遊びかけがしつこかったり乱暴だと、成猫がうるさがって威嚇することがあります。
成猫が子猫を威嚇しても、決して叱ったりしないで下さい。
威嚇は自然な反応ですから、叱ることで子猫に悪い印象を持たないようにしましょう。
子猫があまりにしつこいようなら、成猫が子猫から避難できるような場所を作ってあげて下さい。
子猫が登れない高い場所がいいです。
自分のペースで子猫と接することができれば、受け入れてくれやすくなるでしょう。 |