動いている手や歩いている足に突然飛びかかったり、何気ない仕草に反応して攻撃を加える猫は少なくありません。
飼い主への攻撃性の問題行動なのですが、凶暴性の問題行動とは区別
して考える必要があります。
子猫は成長の過程で色々な遊びを通して運動機能や社会性を発達させていきます。本来の子猫の成長環境では、5−6ヵ月齢まで兄弟と遊んで過ごします。
しかし、人と生活している猫の多くは、もっと幼い時期(2−3ヵ月齢)に強制的に親や兄弟と離され、新しい生活をスタートします。
そのため、母親や兄弟の代わりに飼い主が遊び相手になります。
相談のオス猫は、飼い主と遊びたがっているのです。
ストレスがたまって凶暴になっているわけではありません。
この猫の場合2歳と若く遊び盛りなので、完全室内飼育で昼間−人でお留守番となると、唯一の遊び相手の飼い主が帰ってくるのを心待ちにしているはずです。
飼い主としては十分遊んであげているつもりでも、若い猫にとってはまだまだもの足りないのです。
まだ遊び足りないのに大好きな飼い主は寝てしまいます。
ある日「もっと遊んでよ」ってちょっと足を引っかいたら遊んでくれた(飼い主は叱っているのですが、猫は遊んでくれたと感じて興奮します)。
これで猫は、足を引っかいたりかんだりすると飼い主が反応するのがわかりました。
こうなると怒ったり叱ったりするのは逆効果です。
興奮しているところに刺激を与えることで、さらに過激な行動を誘発してしまいます。
このような時は飼い主が直接叱るのではなく、水鉄砲や柑橘系スプレーなどで罰を与えることがいいでしょう。
これで興奮に水を差されて、落ち着くことがあります。
ただ、このような対処法は一時的なもので、ベースには“遊び足りない”という問題が残っているので、これを解消していく手だてが必要です。
放っておくと別な問題行動に発展する可能性もあります。
一番いい方法は十分遊んであげることです。
我が家の『悟空』は紙袋を使った遊びや縛ったタオルを追いかける狩り遊び、懐中電灯のあかりを追いかける遊びが大好きです。
色々な遊びグッズも売られているし、猫の好みに合わせて自分で工夫するのも楽しいですよ。 |