マーキングには2種類あります。
1つはオス猫特有のスプレーマーキングで、普通
マーキングというとこれを指します。
もう1つはトイレでするように1カ所にたっぷり排尿する尿マーキングです。
今回のケースは、このマーキングにあたると考えられます。
猫は感情的に不安定になると、自分のトイレ以外の場所で排尿するようになります。
テリトリーを確かに侵害されていると感じた時、お気に入りを誰かに奪われたと感じた時、家の中に何か緊張を強いるようなことがある時、などに感情的に、不安定になるようです。
ケース1。1人で留守番をさせられると、家族の中で最後に出て行った人(自分を1人にした人)の靴の中にたっぷり排尿する猫。
自分を怒った人や、自分以外の誰か(赤ちゃん、猫、人など)をかわいがった人の持ち物を選んで排尿する猫。
ケース2。飼い主が猫を不安にするにおいをまとってきた時に、そのにおいが強く付いている物(服)に排尿する猫。
たばこの強いにおい、いろいろな人のにおいが混じった雑踏や盛り場のにおい、お酒のにおいなどが猫を不安にするようです。
1の場合、不満や腹いせの表現と考えられます。2の場合、不安や緊張の原因となっているにおいを、強烈な自分のにおいでマスクしようとする行動です。
相談のオス猫の場合も、不満や不安などの感情的な間題があってこのような行動に出ていると考えられますが、尿マーキングの対象がご主人の付ち物ばかりということは、原因はご主人の存在そのものといえるでしよう。
ご主人は自分と奥さんの間に人ってきて奥さんの関心を強く奪ってしまった人ですから、猫にしてみれば、ストレスを感じるのも自然なことなのです。
尿マーキングを解決する方法は、感情的な原因を見付けて解決してあげることです。
しかし、今回の原因は取り除くことができないことですから、ご主人の存在に慣れてもらうしか方法はありません。
(1)猫が排尿できるところにご主人の物を置かないこと。この尿マーキングという行動を不満のはけ口として定着させてはいけません。
(2)ご主人が猫とよく遊ぶこと。猫にとって楽しい飼い主になりましょう。
猫との関係に進歩が見えないようなら、抗不安薬などを併用して行く必要もあるかもしれません。 |