特定の音や動きに対して過敏に反応して、臆病な態度を示す猫は時々います。
でも、お話の様子ではしげちゃんはとびきりの怖がりやのようです。
子猫の時代にいろいろな人や動物と接する機会がなかったり、いろいろな種類の音と接する機会がなかった猫は、未知の相手や音に過敏に反応してしまうようです。
飼い主の生活環境はわかりませんが、一人暮らしで留守がちな生活だとすると、しげちゃんの臆病さは成長に伴って増強されているように思います。
極端に臆病な猫の場合、いつでもその場所から逃げ出して隠れることができる状況にいると、恐ろしい刺激を感じた時には必ず逃げて隠れてしまうので、恐れを感じる相手や音と対面
する機会がなくなります。
対面する機会がないと恐れに対処する方法を身につけられません。
身につけられなければ、いつまでたっても恐怖の刺激から逃げ続けなくてはならなくなります。
しげちゃんにとっては、逃げて隠れることが唯一の対処法なのです。
しげちゃんに他の対処法を学習させることが、今の臆病さから脱却させる有効な方法でしょう。
紹介する学習方法は少しかわいそうに思えるかもしれませんが、成功率の高い方法なので試す価値はあると思います。
まず、静かな部屋の真ん中にケージを置きます。これは人が近づいてきたりチャイムや物音がしても逃げ出して隠れるのを防ぐためです。
ケージは猫が生活できる程度の大きさを用意して、中には毛布やタオル、食器、水飲みも入れます。
逃げ出せないことで、これらの刺激と対面して対処せざるを得なくなると同時に、それほど恐ろしいことではないことも学習します。
食欲が落ちるようなら、やさしく声をかけて飼い主の手から与えてみましょう。
このケージの中で2週間程度過ごした後、隠れる場所のない部屋に移してケージのドアを開けておき、自分から出てくるまで静かに待ちます。
一度でかなりの改善が見られると思いますが、極度に臆病な猫の場合には最初の4日間程度、精神安定剤を使うのも一つの方法です。 |