猫の去勢、または避妊手術を受けた後の行動には、とても個体差があります。
手術をした後、性的な行動を示す猫と、示さない猫がいます。
メスでは発病期の後に手術した場合、オスでは性的成熟期に達する生後12ヵ月齢以降に手術した場合には、ある程度の性行動が残ることが少なくありません。
発情前や性的成熟期前に手術をしても軽い性行動のようなサインを示すこともあります。
特に集団で飼育されている去勢猫・避妊猫では、次のような行動がよく見られます。
●オス:マウンティング、メスを取り合うときの鳴き声。
●メス:腰を突き出す、ローリング。
去勢、または避妊手術を行えば全く性行動がなくなると考えている飼い主は、このような行動を見ると、驚いたりがっかりするようです。
しかしこれらの行動は性的な遊びとして解釈される行動で、去勢・避妊された犬の世界ではもっとよく見られます。
体と体を接触させる性行動が、群れにおいての祉会行動として取り入れられ利用されているのです。
ですから、完全に去勢・避妊が行われているコに、このような行動が見られても、決して異常ではありません。
相談のオス猫の場合も、去勢した時期に関係した性行動ではないと思います。
飼い主と猫で作られた群れの中で社会性が形成され、その中で出てきた行動でしょう。
スキンシップ表現の1つとして解釈してあげてください。
ご主人(男性)には全くその行動を示さず、奥さん(女性)にだけ示すのは、奥さんにより親密感を抱いているからではないでしょうか。
親近感を抱いている相手や大好きな相手(または好きになって欲しい相手)と、もっとスキンシップを取ることで安心を得たいのでしょう。
この行動をこのまま続けさせていっても、将来病気になったり大きな問題になることはほとんどありません。
あきらめて好きにさせている飼い主も少なくないでしょう。
でも、この行動が迷惑だったり苦痛であるのなら、不快感を示したり、別
の方法でのスキンシップを人間サイドから積極的に試みたりして、今の行動をおさめていきましょう。 |