普段はきれい好きでトイレをきちんと使う”清潔な行動”をとっている猫があるとき急に、慎みなくじゅうたんやソファー、クッションで排泄するようになることがあります。
それを見て飼い主はショックを受けるもの。
このような行動にはいくつかの原因が考えられます。
(1)縄張りの変化:家に大工が入ったり大幅な模様替えを行った場合。
自分がこの劇的な変化をどう感じているか示すため、変化の大きい場所に排泄します。
(2)社会性の変化:新しい猫や犬、または人間が家に登場し、自分が無視されたと感じた場合。
野外で暮らす立場の強い猫が”においによる威嚇”をするのと同じ理由で、目立つ場所におおっぴらに排泄します。
これで自己主張をしているのです。
(3)トイレに対する不満:トイレの場所や衛生状況、砂などに不満がある場合。
猫は排泄したばかりの場所を使うのを嫌います。
1〜2回は我慢して使っても、度重なると抗議の意味も込め、他の場所で排泄します。
(4)感情的な乱れ:猫は何か感情的な乱れがあると、頻繁にトイレ以外の場所で排泄するようになります。
特に自分の家庭環境に不満があるとき、家庭内で何か緊張を強いられることがあるときなどに見られます。
小春ちゃんの場合は (4)にあてはまると思われます。
留守番の時間が長くなったり食事の時間が遅れることに不満があるのでしょう。
また、来客があったり、飼い主が他の強いにおい(たばこ・香水・食べ物・他の動物など)をまとって帰ってくると、自分のにおいが負けた猫は緊張と不安を感じます。
それらをアピールし緩和するために排泄という行動をとるのです。
これは飼い主に向けられたメッセージですから、わざとそのテリトリー(寝具・クッション・ソファー・衣類・靴)を選んで汚すことが多くなります。
小春ちゃんは以前、血尿を経験したとき、飼い主が優しくしてくれたり注意を向けてくれたので、普通
のコよりも小さな刺激でこの行動が現れるのでしょう。
原因がつかめればそれを取り除いてあげます。
さらに抗不安薬を7〜10日間使えば、かなりの改善が見込めるでしょう。 |