ペットの基礎知識 特別篇
【東洋眼虫】


『東洋眼虫って知ってますか?』

結膜炎が治らない、目やにがひどい、その眼の中には虫がいるのかもしれません。

東洋眼虫という眼に寄生する寄生虫がいます。

東洋眼虫の生息地は、以前は九州や西日本が中心でしたが、温暖化と共に北上 し、最近では東京でも報告が多くなってきています。

東洋眼虫は、イヌ,ネコ、狸などの野生動物など、そして人にも感染します。

結膜の奥や涙管の中、瞬膜の裏側に寄生する体長5〜18mmの小さな白色の線虫です。


『感染経路』

東洋眼虫はショウジョウバエの仲間マダラメマトイによって媒介されます。

メマトイは(目にまとわりつくのでこのように呼ばれるようになった)、涙や目ヤニに含まれるタンパク質を摂食する性質をもっています。

メマトイは体長3〜4mmの羽虫で、山林や川、畑、公園にも多く生息し、全国的に広く分布している虫です。

そのメマトイが、すでに感染している犬猫の涙や目ヤニを摂食するときに、虫卵や小さな幼虫もいっしょに摂取します。  

幼虫を摂取したメマトイの体内で幼虫が感染仔虫に変わり、また別の未感染の犬や猫の涙や目ヤニを摂食する時にメマトイの口器から感染して、その犬や猫の結膜や瞬膜の裏側に寄生します。

感染仔虫は犬や猫の眼のなかで3〜5週間かけて成虫になります。

メマトイを介さない、犬から犬のような直接感染は、ほとんどないようです。


『症状』

感染当初はほとんど無症状ですが、成虫になり動き回るようになると、目ヤニなどが表れます。

虫が存在する刺激により、結膜炎、流涙、瞬膜の炎症などを起こします。

かゆみや異物感から目をこすり、角膜にキズをつけることもあります。

感染が長期になると、結膜炎や視力減退、目が開かなくなることもあるようです。


『診断』

結膜の奥や瞬膜の裏を調べて虫体が確認できれば、東洋眼虫の感染が診断されます。

虫が目の表面に出てくることは少ないので、見ただけではなかなか発見できません。

眼の中に白い糸くずのようなものを見つけたら、東洋眼虫かもしれません。

すぐに動物病院へ。


『治療』

直接虫体を摘出して治療します。

点眼麻酔を行い、まぶたや瞬膜の裏側や奥をチェックします。

点眼麻酔だけでは暴れてしまうような犬や猫には、全身麻酔が必要なこともあります。

虫も危険を察すると逃げたり、さらに奥に行こうとするので、全部を摘出できたかどうかの確認は難しい場合があります。

治療後、期間をおいて2〜3回はチェックするといいでしょう。


『予防』

媒介者がショウジョウバエなので、ショウジョウバエと接触しないことが一番ですが、ギンバエなどと違いショウジョウバエは公園や家の庭など、どこにでもいるので、避けるのは現実的には難しいことです。

一番確実な予防法はフィラリア予防をしっかり行うことです。

東洋眼虫の感染仔虫にはフィラリア予防薬による駆虫効果が期待できます。

しかし、成虫になった東洋眼虫には効果はありません。
(成虫に効果がないのはフィラリアも同じです。)

ショウジョウバエは主に暖かい時期に発生しますが、東洋眼虫の感染報告の多 い時期は、意外なことに12月〜2月です。

これはフィラリア予防の休薬期間と合致しています。

ショウジョウバエの発生が多い暖かい時期は、フィラリア予防で東洋眼虫の感染仔虫も予防駆除されていますが、フィラリア予防を休止している時期は東洋眼虫予防もお休みしていることになるからです。

ショウジョウバエは冬眠することなく、暖かい場所で越冬します。

以前は冬が寒かったので、越冬しているショウジョウバエが活動することは希でしたが、最近は温暖化の影響で冬に姿を見ることも珍しくなくなっています。

また、春から秋の間に感染報告のあった症例のほとんどが、フィラリア症予防薬の投与を行っていないか、投与を行っていない時期が2カ月以上あったという事も注目です。

ペットの健康はもちろんのこと、人獣共通感染症の対策として、フィラリア症予防薬の適切な投与が大切なのです。


●人間に寄生した場合

異物感と目ヤニの自覚症状が表れます。

目に違和感があり鏡でよく見ると、白目に虫を発見することもあるようです。

しかし、意外と異物感を感じないことや結膜充血もないことも多いようです。

また虫体は結膜の奥へと潜んでるので発見されることなく、慢性結膜炎として治療されている可能性もあるかもしれません。

治療は、眼科で虫を取ってもらいます。

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