「冬のすごし方・犬篇 (3)」


〜冬のすごし方〜

■「室内環境 篇−2」


●留守番中の暖房

仕事や学校などで、犬だけでお留守番、そんな状況はよくあることと思います。

ほとんどの場合は、朝から夕方にかけてのお留守番になると思います。

東京の日中のお留守番であれば、特に暖房の必要はないでしょう。

毛布やタオルなど、体を温めるものを用意してあげれば充分です。

  「それでも寒さが心配」と思ったら、ケージやクレート全体を毛布で覆ってください。

最近は、犬自身の体温で暖まるマットなどもあるので、こういうものも上手に利用しましょう。

どうしても暖房が必要な場合には、火事の恐れのないものを選んでください。

エアコンや床暖房がお勧めですが、コードの管理ができるのならホットカーペッや、オイルヒーターも利用できます。

そして、時間設定やタイマーが使えるものなら、それも積極的に利用してください。

例えば、日中はOFFで、夕方からONになるように設定するなど。


●夜間の保温 暖房を切った後の気づかい

よっぽど寒いところでなければ、就寝中は暖房を切っている家庭が多いと思います。  

見落としがちな点は、深夜から早朝にかけての保温です。

暖房をしていた時と、暖房を切った後の温度差が大きいと、ストレスの原因となります。

留守番中の保温のように、毛布や保温マットなどを用意してあげたり、寝床全体を毛布で覆って暖まった空気を逃がさないようにしましょう。

高齢の犬や持病のある犬では、特に冷え込む夜には、ホットカーペットなどの使用も検討すべきかもしれません。

暖房を切った後も急に体感温度が下がらないような工夫をしてあげてください。


●乾燥対策

日本では一般に夏は湿度が高く、冬は湿度が下ります。  

つまり、冬という季節が乾燥を伴っているのです。

暖房を使えば、程度の違いはあっても湿度はさらに下がります。

機密性の高い部屋だと、暖房を使い続けていると湿度が30%を割ってしまいます。

湿度が30%以下になると、体調を崩す心配があります。

室内に水を置いたり、加湿器を使って湿度を50〜60%くらいに保つようにしましょう。

☆加湿しすぎも注意!

湿度が70%を越え、室温が25度くらいあると、カビが発生しやすくなります。

適度な加湿を心がけてください。

☆乾燥によるトラブル

◎皮膚

皮膚がカサカサしたり、フケが多くなってきたら、皮膚が乾燥しているサインです。

皮膚が乾燥すると、皮膚表面の角質細胞がはがれてしまいます。

このはがれ落ちた角質細胞がフケになります。

角質細胞がたくさんはがれると角質層が薄くなるので、皮膚の防御力は低下して、ちょっとした刺激に反応して、痒みや痛みを示すようになります(乾燥性皮膚炎)。

痒みから掻いたり舐めたりして、皮膚炎が悪化することもあります。

○対策

シャンプーは保湿効果の高いシャンプーを選びましょう。

セラミドなどの保湿成分を含むスキンケアスプレーやスポットオンピペットを、定期的に使うことで皮膚の潤いを保つことができます。


◎呼吸器

のどや気管支など、呼吸器の粘膜は乾燥にさらされるとダメージを受けます。

傷ついた粘膜は、刺激に過敏になり、咳やくしゃみが出やすくなります。

また、粘膜の抵抗力も低下するるのでウイルスや細菌に感染しやすくなります。

○対策

心臓や呼吸器に疾患を持つ犬は特に注意が必要です。

今は、いろいろな加湿器が発売されています。

ウイルスや細菌を取り除いたり、湿度を一定に調節する機能や、コードレスのものもあります。

大きさもコンパクトになり、音も静かになっています。

賢くなった加湿器を上手に使いましょう

◎静電気

空気が乾燥すると、被毛や毛布などに静電気が発生しやすくなります。

毛は、ふんわりとして空気を蓄えることで保温効果を発揮します。

静電気を帯びた毛は絡み合って空気を蓄えることができず、本来の保温機能を十分にはたせなくなります。

○対策

湿度が60%あれば静電気は起きにくいといわれているので、その湿度を維持しましょう。

ブラッシングなどで静電気の発生が予想されるときには、スキンケアスプレーを事前にかけておくとかなり軽減できます。




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