〜冬のすごし方〜
■「室内環境」 |
犬にも人にも快適な環境を目指しましょう。
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●犬と人の「快適」の違い |
快適な室温は、犬と人では少し違います。
犬は人より寒さに強いと書きましたが、犬が快適と感じる室内温度は「18〜22度」といわれています。
これは人にとってはちょっと寒く感じる温度ですが、犬にとってはちょうど良い温度です。
人が薄着でちょうどいい温度は、犬とってはちょっとつらい温度かもしれません。
暖めすぎて、冬なのに熱中症に似た症状を示す犬も時々みられます。
人が快適な温度=犬の快適な温度、ではないことを知っておいてください。
・冷たい床に寝そべる
・水をたくさん飲む
・はぁはぁと息づかいが荒い
などは暖めすぎのサインです。
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●エアコン |
暖房の中で、最も使用頻度の高いものがエアコンでしょう。
温度管理の主役と言ってもいいかもしれません。
<メリット>
急速に暖めることができる。
温度を設定しておけば、その温度を維持・管理してくれる。
<デメリット>
空気を動かすので風が発生する。(風を嫌う犬は結構います)
ほこりが舞いやすい。
乾燥しやすい。
最近のエアコンは、室内の上と下で温度差ができないように管理する機能を持っています。
犬にとっては、以前の上と下で多少の温度差ができたエアコンの方がありがたかったかもしれません。
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●こたつ |
やんわりと暖かいので、こたつを知ると大好きになってしまう犬は多いようです。
特に問題がないように思えますが、気になるのは、犬は全身を中に入れてしまう点です。
人は、下半身だけ入れて上半身は出していますが、こたつに全身を入れてみると結構暑くなってきます。
また、うっかりこたつで寝てしまうと、起きたときひどくのどが渇いていませんか?
こたつは、遠赤外線の輻射熱を利用しているので、全身をこたつに入れて長くすごしていると、体の内部まで暖められて、軽い熱中症や脱水を引き起こす可能性があります。
犬だけが入っているときにはスイッチを切るか、一方をあけておくようにしましょう。
中に入れずに、こたつ布団の上から暖をとらせるのもいいと思います。
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●カーペット・床暖房 |
風を起こさないので、ほこりやハウスダストが舞い上がりにくく、アレルギー症状を引き起こしにくいといわれています。
足下から暖める床暖房やホットカーペットは、今人気の暖房法の1つです。
犬にとってもありがたい暖房法ですが、人よりも熱源に近いのでその点には配慮が必要です。
☆床全体が暖まる場合には、設定温度を低めに設定しましょう。
遠赤外線の輻射熱を利用する床暖房の場合、一度からだが暖まると冷たいところに寝たりして体を冷やしても、体の内部はまだ暖かいままということがあります。
それに犬が気づかずに、さらに床暖房で暖まることを続けると熱中症になることもあります。
☆設定温度は、犬の体温より3〜4度低め(34〜35度)に。
すのこのように床から距離があって通気が得られるものを用意したり、涼める場所に移動できるような環境づくりも大切です。
☆ホットカーペットの場合には、部屋のサイズより小さいものにして、犬が涼めるスペースを確保できるようにしましょう。
ずっと寝たままだと低温やけどの可能性もあります。
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●オイルヒーター |
床暖房と同じように、空気を汚さない、風を出さない、やけどの心配が少ない、音が静か、輻射熱でポカポカする、というメリットがあります。
私個人は、これを愛用しています。
入院室でも使用しています。
暑くなりすぎず、乾燥も少なく、タイマーで管理しやすい点が気に入っています。
犬は、寒ければ近づけばいいし暑ければ離れればいいので、低温やけどや熱中症のリスクも避けられます。
コードの管理(引っかけて倒す、コードを噛まれないようにする)には注意しましょう。
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●ストーブ |
ストーブのいいところは、ストーブを中心に熱が拡散していく点です。
寒いときには近づいて、暑くなったら離れることで、自分で暖かさを調節できるので、一番快適な温度ですごすことができます。
注意点として、電気ストーブ以外は、部屋の酸素を使って暖かくするので定期的な換気をしてください。
やけど対策として、ストーブに接近できないようにサークルなどで囲うような工夫は必要です。
また、コードや燃料(ガスや灯油)の管理も大切です。
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