PE-CHA(ペチャ)

今回のペットの基礎知識は
「PE-CHA(ペチャ) VOL.5」
より、お送りします。

内容は一部掲載ですので詳しくは本を買ってね!


「主な耳の病気」

主な耳の病気には、まずは外耳炎があげられる。

そして外耳炎の他にも耳の病気はあるもの。

それぞれの原因や症状を知っておけば、いざという時も安心だ。

耳の病気で知っておきたいこと

耳の病気を疑った方がよい犬の様子


□耳をよく掻いている
□首を振る
□耳の中が汚れている
□耳の中がくさい
□耳を触られるのを嫌がる


【 外耳炎 】

耳のトラブルの中で一番多い病気ではあるが、
予防することは十分可能だという病気のひとつ。


外耳道に炎症を起こす原因はいろいろある


耳の中は鼓膜の手前までが外耳、鼓膜の奥が中耳、内耳とわかれている。外耳炎とは耳介から鼓膜の直前までの外耳道に、炎症を起こす病気である。

外耳炎を起こす原因にはいろいろあり、ダニ、マラセチアやブドウ球菌などの細菌、アレルギーなどがある。垂れ耳の犬種は、立ち耳の犬種に比べると耳の中が蒸れやすく、細菌が繁殖しやすいというのも影響している。

症状としては、最初のうちは痺みが起こるため、耳を後ろ足でポリポリと掻いたり、床や壁にこすりつけたり、頭を振ったりなどするように。

進行するにつれて、痒みから痛みを感じるようになり、耳を触ろうとすると嫌がったりすることも。いつもなら耳掃除をさせてくれていたのに、させてくれなくなった時には外耳炎を疑ってみて。

痒みや痛みからイライラして落ち着かなくなるなど、いつもと違った様子が見られる場合もある。また、耳垢に細菌感染が起こると、細菌の増殖とともにかなりの悪臭を放つようになる。

【 中耳炎 】

外耳炎から波及したカタチで発症するのが中耳炎。
さらに悪化させると内耳まで進行する怖れが。


外耳炎を悪化させると引き起こす可能性が


外耳炎を悪化させたり、慢性化させてしまうと鼓膜の内側の中耳にまで炎症が広がってしまう。何らかの原因で鼓膜が破れたことで中耳炎になる。

鼓膜が破れる原因はいろいろある。

例えば外耳道の方からの炎症がひどくなると、炎症が少しずつ鼓膜の方にまで及び、炎症が長引けば鼓膜が耐えきれなくなって破れてしまったり。

他にも耳の中に異物が入って鼓膜が破れたり、外傷なども原因としてあげられる。

また、不適切な耳掃除によっても鼓膜を破いてしまう可能性は高い。

犬の耳道はL字型で途中が曲がっているため、綿棒自体で鼓膜を破くことはないにしても、耳垢などたまった汚れを耳の入り口から少しずつ押し詰めていたとすれば、いつの問にか鼓膜を破いてしまう場合もある。

症状は外耳炎の症状と大きく変わらないが、痛みはさらに増すため、より耳を触らせなくなるなどの行動が見られる場合も。

中耳炎をさらに悪化させると内耳炎へと進行し、内耳炎になってくると神経症状も見られるようになる。

■外耳道が細い、脂漏体質などが耳に影響を及ぽす可能性がある
ボストン・テリアは他の犬種と比べて、耳のトラブルが特に多いということは感じません。

しかし、パグやフレンチ・ブルドックは外耳道自体が細いために、外耳炎などのトラブルが起きると掃除がしにくいため悪化しやすく、なかなか治りにくいというのが考えられます。

また短毛犬種は脂漏体質の犬が多いので、そのような体質が耳に影響する場合もあります。

短毛犬種は、長毛犬種に比べ、毛が短い分、皮膚を脂分で守るため、その脂分が耳の中の細菌の栄養となることで、細菌が増えてしまう。細菌量が増えることが炎症の原因になる。

また、パグのような垂れ耳の犬種は立ち耳の犬種よりも耳のトラブルは起こりやすい。

そして犬の耳の病気で一番多いのは、犬種に関係なく外耳炎ということだ。

ペチヤ犬たちにも多い外耳炎ですが、外耳炎は普段の心がけ次第で十分に予防できる病気のひとつです。

どのような病気かをしっかり理解しておき、日頃からこまめに手入れをしていれば外耳炎はかかりにくいものです。

ペチャ犬たちがかかりやすい主な耳の病気である外耳炎をはじめ中耳炎、その他の病気について飼い主はしっかり理解しておき、耳の病気から愛犬を守ろう。

治療と予防


外耳炎や中耳炎になった場合、どんな治療をするのだろうか。

また耳の病気にさせないためにはどのようなことに日頃から気をつけておけばいいのか、 愛犬を耳の病気から守るためにも知っておこう。

◆治療

耳の中の洗浄や薬の投与の他、手術を行う場合も

外耳炎を引き起こした原因によって治療は違ってくるが、基本的には耳の中を洗浄して汚れを取り、炎症を抑えていくことになる。

薬を投与した方が早く改善に向かう場合には抗生剤や消炎剤を用いる。

例えば、抗菌剤を用いてマラセチアやブドウ球菌などの細菌など、原因となっているものを取り除いていくのと同時に、炎症があるようなら消炎剤を使っていく。

またアレルギーや甲状腺機能低下症などが原因のひとつであれば、そちらの治療も行っていく必要がある。

中耳炎の場合は、中耳にある細菌を減らさなければならないため、抗生剤や消炎剤などの投与など内科的な治療が中心となる。

そして、これらの治療や耳の洗浄を行っていても改善がみられない、あまりに腫れがひどく、外耳道が狭窄している場合は手術に至るケースもある。

この場合の手術は外耳道切開といい、L字型になっている外耳道の縦の部分を切開する。

例えるとストローを縦に切開するような手術である。

外耳道を切開することで耳の汚れもとりやすくなり、それによって耳の中の不快感を減らしてあげることができる。


◆予防

日頃から耳の手入れとチェックを心掛ける

中耳炎にさせないためには、まずは外耳炎を起こさせないこと。

外耳炎の予防としては日頃のお手入れが大切。

普段の手入れは、ガーゼや綿、ティッシュなどを指に巻き、水かぬるま湯で濡らしてから、耳の入り口部分を軽く拭く程度で十分。乾いたもので拭くと、拭く際に傷つける場合もあるので必ず濡らしたもので拭くようにしよう。

耳の奥まできれいにしようと綿棒を使うとかえって汚れを奥に押し込んでしまうこともあるので注意。

綿棒を使う場合も濡らしてからあくまでも耳の入り口を軽く拭く程度にすること。

汚れが気になるなら毎日、それ程でもないなら3〜4日に一回、耳のチェックを兼ねて耳掃除を行おう。

脂漏性の犬は汚れがたまりやすいため、イヤークリーナーを使って汚れを浮かせて外に出させるようにしてもよい。

愛犬が脂漏体質か、そうでないのかわからない時には動物病院で判断してもらおう。

その際に日頃の手入れはどのようにしたらいいのか、行う頻度なども相談するといい。

耳掃除の際は、見た目だけでなく、異臭がしないかどうか二オイも確認することも忘れずに。

 


その他とまとめ


◆その他

耳介が腫れあがる病気、耳血腫にも注意を

その他の耳の病気として耳血腫がある。耳介の部分には1枚の板状の軟骨があり、その周りを皮膚が覆っている。

何らかの原因によって軟骨と皮膚の間の血管が切れ、耳介の中に血がたまり、耳介の部分がふくれあがってしまう病気だ。

原因としては頭を振った時に耳をどこかにぶつけたり、耳を掻いたりすることによって起こることが多い。

耳血腫になる犬は大抵が外耳炎を発症しているケースが多いということだ。

治療としては注射で中にたまった血液を抜き、止血剤や消炎剤を使ったり、あるいは、外科的に耳介の皮膚と軟骨ごと縫ってふくらむ余地をなくしたり、切開して廃液させるなど、症状によって治療の方法にはいろいろある。


◆まとめ

耳の病気の改善には時間がかかると覚憤を

同じ外耳炎でも治りがいい犬と悪い犬がいます。

治りが悪いからといって途中で治療をあきらめてしまうと、慢性の外耳炎となって、ずっと病気とつき合っていかなければなりません。

治る期間は症状の程度と、あとはどれだけ処置をさせてくれるかによって違ってきます。

もしも外耳炎と縁が切れないという場合でも、できる限り愛犬が快適な状態を維持できるようにしていきたいもの。

耳の病気の改善には時間がかかると覚悟しておくのはもちろん、少しでも異変を感じたら早めに動物病院で診てもらおう。

 


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