予防:
少し前の統計ですが、日本の猫の3〜5%が猫白血病ウイルスを保持しているという推定報告があります。
病気の猫の場合ではさらにこの数字は上がり、約4倍の12〜20%が猫白血病ウイルスを保持していると推定されます。
この数字は、先進国の中ではかなり高いものになります。
猫白血病ウイルスに感染させないためには、次の3つが大切です。
1.猫白血病ウイルスとの接触を避けること
ウイルスと出会わなければ感染しないので、猫白血病ウイルスキャリアーの猫との直接の接触を避けることが一番の予防法です。
外で出会った猫が、ウイルスキャリアーであれば、感染する可能性があります。
その猫とケンカになり、咬まれたれ引っ掻かれたりすればさらに感染の確率は増大します。
外へ出さないようにして飼育すれば、感染の可能性は低くなると考えられます。
2.猫白血病ウイルスのワクチン
ワクチン接種は、猫白血病ウイルス感染を予防する有効な方法です。
ワクチンを接種していれば100%安心というわけではありませんが、感染の防御率は約90%ですから、高い確率でウイルスから守ってくれます。
以前は繊維肉腫の誘発が問題となっていましたが、ワクチンメーカーの努力により発生率はかなり少なくなり、今では発生率は1〜2万分の1とも言われています。
繊維肉腫を誘発するのは、ワクチンに含まれているアジュバンドと呼ばれる抗原性補強剤ではないかと考えられており、そのアジュバンドを使用しないノンアジュバンド・ワクチンも出てきています。
当院では、このノンアジュバンド・ワクチンを使用しています。
ウイルスキャリアー猫へのワクチン接種:
ウイルスキャリアーの猫にワクチン接種をしても、発症を促すようなことはありません。
ウイルスキャリアーの猫にワクチン接種をしても、ウイルスを排除したり発症を抑制する効果は期待できません。
3.ウイルスに負けない抵抗力をつけること
成猫で健康で、体力があれば、強い免疫力が維持でき、仮にウイルスキャリアーの猫と接触しても感染を許さないことが期待できます。
そのためにも、バランスの良い食事、ストレスの少ない生活環境、ワクチン接種、定期的な寄生虫の駆除、などを行って健康な体を維持しましょう。 |